毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の舞台はスイス。絶景を巡る列車、氷河特急で、アルプスの名峰・マッターホルンを目指します。古都・クールから氷河特急に乗車し、旅が始まります。広々とした開放感のある列車。座席にゆったりと腰を下ろし、素晴らしい景色を眺めるのには十分すぎるほど大きい窓。なんとも贅沢な空間です。さっそく車窓から見えたのは、アルプスの雪解け水が流れ落ちる滝。そして、その先には大きな湖。いきなりの美しい風景の連続に、旅への期待が膨らみます。車内はマッターホルンを目指す観光客で大賑わいです。友達同士、よもやま話や思い出話に花を咲かせながら、楽しい時間を過ごします。大自然の中をゆったりと走る列車に揺られながら、気の合う仲間と共にのんびりとマッターホルンを目指す旅。これこそが氷河特急の醍醐味です。
ようやく、終点・ツェルマットに到着しました。ここがマッターホルン観光の拠点の地です。駅近くの登山用品店の店主に連れられてやってきたのは、町中からマッターホルンが見えるポイント。雲がかかっているものの、その頂上をしっかりと望むことができました。リッフェル湖という湖の水面に映る“逆さマッターホルン”がとても美しいと聞き、ケーブルカーでその近くへやってきました。遠くの方にマッターホルンは見えましたが、肝心な湖には氷が張っていて、水面に映る白峰はどうやら見えそうにありません。諦めて引き返そうかと思ったその時、氷の一部が解けて水辺になっているわずかな隙間に、まさに鏡に映されたようなマッターホルンを見つけました。季節の狭間、氷が解けて水になっているほんのわずかな時間だけに見られる風景。思いがけない絶景に巡り会いました。
さらなる絶景を求めて、最後はヘリコプターに乗り込み、空からマッターホルンを眺めることにしました。気持ち良く晴れ渡った青空へ、機体がどんどんと上昇していきます。その下に広がるのは、どこまでも続く白銀の世界。美しいアルプスの山々が見渡す限りに連なっています。そして、いよいよ、ヘリコプターがマッターホルンの頂へと近づいてゆきます。気高くそびえ立つ名峰の頂。間近に見る雪に覆われた岩肌はとても美しく、その頂上を越える瞬間の壮大な風景はまさに圧巻です。長い道のりを進んできた旅人だけが味わえるこの瞬間。忘れられない風景を心に焼き付けました。