毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅の起点は、アメリカ西部の港町・サンフランシスコ。穏やかな雰囲気が漂う海辺、個性的なファッションを楽しむ若者たちで賑わう繁華街など、表情豊かな町を散策します。郊外で偶然出会ったのは、この町に精通しているアマチュア芸術家のロンさん。彼が町を見渡せる高台へと案内してくれましたが、霧で何も見えないという残念な結果となりました。しかし最後、ロンさんに連れられてやってきたトレジャーアイランドからは、サンフランシスコの美しい夜景が満喫できました。翌朝、地元のドライバー・バレリーさんと共に、いよいよ大自然を体感する旅を始めます。農業地帯をドライブしていると、車窓から淡いピンク色の花がついた木々が立ち並んでいるのが見えました。聞けば、この地域で盛んに栽培されている、アーモンドの畑なんだとか。早春の訪れを告げる花。刹那に咲き誇るその花は、美しい夢を見たような気持ちさせてくれました。
観光案内所で薦められたスポットのひとつ、サンルイス国立野生生物保護区に到着。保護区のレンジャー・ジャックさんが、エルクという動物が見られるエリアへ案内してくれました。エルクはかつて絶滅寸前だったシカ科の動物。近年では保護活動が実を結び、カリフォルニア州の生息数が約4500頭まで回復したそうです。太陽が傾き始めた頃、ジャックさんが連れて行ってくれたのは、とっておきの風景が見られるという水辺。そこには無数の野鳥がひしめき合っていました。冬から春にかけて、何千年も前から決まったルートでこの地へ渡ってくる鳥たち。彼らにとって、ここはかけがえのない冬の生息地です。夕映えの美しい景色の中へ、水鳥たちが群れを成して羽ばたいてゆきます。この季節に、この場所でしか見られないその光景は、まさに、大空のスクリーンに映し出された大自然のショーでした。
最終目的地ヨセミテ国立公園は、長い年月をかけて氷河や滝によって削られた大渓谷。世界遺産にも登録されている絶景の宝庫です。多様な地形が見られると聞いてやってきたものの、あいにくの天気に見舞われました。山は濃霧に覆われ、雨足は強まるばかり。しかし、翌朝には晴れ間が広がり、雄大な自然が出迎えてくれました。ヨセミテの全景を見渡すことができる「トンネルビュー」というビューポイントがあると聞き、行ってみることに。その名のとおり、トンネルを抜けると、その先には、圧巻のパノラマが広がっていました。悠々と流れ落ちる滝、鋭く切り立つ岩壁、隆々しくそびえる巨木の群。それらが織り成す風景は、訪れる人を魅了します。アメリカの大自然の懐に抱かれ、今回の旅を締めくくりました。