毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
桂林のトレードマーク、奇岩と水辺。桂林市内を散策すると街中のいたるところに面白い形をした岩がありました。大地から生え出たような奇岩の群れと、その間に入りこむような町並み。桂林は絶景の中に暮らしがあることを実感することに…。また独特の景観は芸術も生み出しました。天下一とも讃えられる山水画です。中国三大美術館の一つとされる桂林美術館に足を伸ばします。そこには超一流の画家たちによる名画が300点以上展示され墨の濃淡だけであらわされた見事な山水の世界が…。
絶景と人の出会いが生んだ芸術。自然という芸術家が長い年月をかけて創り上げた幽玄の世界を巡ります。
絶景を求めドライブ。市内から北西へ90キロにある龍勝へと向かいました。
そこには何世紀も変わることのない昔ながらの暮らしを営む少数民族、ヤオの人々が生活していました。ヤオの女性の特徴は長い髪の毛。おどろくことにおよそ2メートルもある人もいるんです。綺麗な黒髪をぐるりと結い、髪をほどくさまは壮観。幸せが髪の毛のように長く続くように…そんな願いが込められているそうです。古き伝統を守るヤオの人々は数十世代にわたり、山肌につくり上げてきた棚田も守り続けてきました。
階段状に埋め尽くす無数の水田。人が果てしない時間と手間をかけてつくり上げた棚田の群れ。まるで芸術品のような緑の絶景です。
いざ、山水画の世界へ… 動く画廊と呼ばれる璃江下り。川を蛇行するたびに異なる風景が目に飛び込んできます。3億年前、この一帯は海の底だったといいます。隆起したのちに、雨水に侵食されて、オブジェのような岩が生まれたそうです。特に璃江の周辺には奇岩が多く、川下りはまるで岩の林の中を進むような不思議な気分。霧にかすむ山並みと、水に浮かぶ船…。まさに山水画の世界。水の魔法で、ときにはその風景はにじんだ水彩画のようなみずみずしい風情をたたえます。遠い昔から、芸術家や文人たちの心をとりこにし続けた幻想美の世界。中国人が愛してやまない眺めが広がっていました。
緑を映し、奇岩をぬうように流れる水の帯…山紫水明の地、桂林。終点の船着き場から山を登ること1時間、そこからの眺めは地球が生んだ二つとない美しい夕日を見ることができました。