毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の旅は、アフリカ大陸の南部に位置するジンバブエ。まず降り立ったのは首都のハラレ。通りかかった青空市場で、色とりどりの野菜や果物、ハーブが売られているのをみて、ジンバブエは豊かな大地の恵みに溢れていることを知ります。そして翌日、野生の楽園ワンゲへと移動しました。ここは野生動物を間近で見られるサファリドライブが有名です。出発するとすぐに現れたのはキリンやバッファローなど大きな動物たち。そして次に出会ったのはゾウの家族。子どものゾウの兄弟がじゃれ合うようにして歩き、後ろからお母さんがそれを見守っています。次に向かったのは、ジンバブエの豊かな自然の「源」だと言う場所。森の奥からすさまじい水音が聞こえてきたと思ったら、世界三大瀑布の一つである、ビクトリアの滝でした。ビクトリアの滝は幅がおよそ1.7kmに渡り、滝に沿って展望台がいくつもあります。今回訪れたのは一年で水量が最も多い時期だったため、滝の迫力は満点。自然のパワーを肌身で感じました。
この地域では、滝と密接な関わりを持つ村があると聞いて訪れました。滝に掛かる虹は、空や植物などの自然の色や、愛情などの人間や動物の心が映し出されたものだと考えられているのだそうです。つまり虹は自然と人間を結びつける架け橋。その架け橋をもう一度見るため、今度はヘリコプターに乗り、空からビクトリアの滝を眺めます。遠くからでもハッキリと分かる滝の水煙が独特の風景を生んでいます。滝に近づくと、その大きさに圧倒されます。1.7kmにも広大な断崖を流れ落ちる水。立ちのぼる水煙はまるで地球が呼吸しているかのよう。やがて現れたのは滝にかかる光のリボンのような大きな虹。太陽、水、空、木々、動物、そして私たちの心。全てが輝くと、虹はより一層まばゆい光を放ちまるで世界を祝福しているようでした。
アフリカ南部、ナミビア。首都のヴィントフックは、小さな街ですが、近代的なビルとドイツ占領下時代に建てられたヨーロッパ調の建築物が入り交じった美しい街。その一つである美しい教会の前でガイドのジェームズさんと待ち合わせ。早速車に乗り込み、首都を一歩出ると、ナミビアのダイナミックな自然の風景が現れます。目指すのはアフリカ屈指の大自然、ナミブ砂漠。赤い砂丘とも呼ばれ、真っ赤な大地が延々と続きます。ナミブ砂漠の深淵へと入っていくと、やがてデューン45というナミブ砂漠の中でも一番美しいという砂丘が見えてきました。高さ150mの大砂丘の頂上を歩いて目指します。柔らかい砂は、踏みしめるたびに足を取り、歩けども歩けども、なかなか前に進めません。でも歩き始めて1時間、なんとか頂上に着くと、赤い砂丘は夕日に照らされ金色へと姿を変えていったのです。光と陰のコントラスト。小さな砂一粒一粒が生み出した目を奪うような大絶景でした。
翌朝、まだ暗いうちに向かったのは、ナミブ砂漠の隠れた絶景ポイント。日の出前の一瞬にしか現れない絵画のような不思議な風景だそうです。やってきたのはデッドフレイ。元々、池だったその跡地に立ち枯れた木だけが残る一風変わった場所です。その場で待つこと30分。目の前の砂丘だけに朝日が当たると、その絵画は完成しました。金色に染まる砂と陰ったままの銀色の大地。その背景に枯れ木のシルエットがくっきりと浮かび上がりました。光と陰が作り出す大自然のアート。背後の砂丘から朝日が昇りきると、もう、その風景は消えてしまいました。
南米大陸6カ国にまたがるギアナ高地の一つである、グランサバナの南東に位置するロライマ山へ。地上からの高さおよそ1000mにあり、普段は雲に隠れその全貌は中々見る事が出来ない神秘の山だそう。それは、またの名をテーブルマウンテンと呼ばれるまるで切り株のような山でした。ガイド曰くロライマが誕生したのは何と1億8千年前。世界最古の山と言われているそうです。
ヘリコプターで40分、ロライマの山頂へ。上空から眺めるテーブルマウンテンはまるで雲の絨毯を敷き詰めた天空の大地のようで壮観でした。まず、頂上をトレッキング。想像以上の起伏の激しい岩山に足元を取られながら進むと、ここにしかいない不思議な動植物との出会いが待っていました。旅の最後には、代々山の麓に暮らす先住民のガイドが、とっておきの場所へと案内してくれました。山を知り尽くした彼らに連れられ向かったのはワチャロの谷。ロライマ山の絶壁です。地平線の彼方まで続くグランサバナ。その大パノラマは息を呑むほどの絶景でした。
シチリア島から高速船に乗ってヨーロッパ唯一の活火山のあるストロンボリ島にやってきました。夜に赤々としたマグマを噴き上げる様子から「地中海の灯台」とも呼ばれる島ではおよそ400人が暮らしています。火山への入り口を島の漁師さんに聞いてみたところ危険が伴うためガイドと登った方がいいとのこと。紹介されたベテランガイドのマリオさんとともに火山を目指します。目的の700メートル地点までおよそ3時間、ごつごつとした岩場が続くかなりハードな登山です。辺りが薄暗くなる頃に700メートル地点に到着。火口からは数分ごとに真っ赤なマグマを噴き出しています。何世紀にも渡り、溢れ出るマグマは地球の神秘的なエネルギーを感じさせてくれました。
旅の出発点は、世界最南端の街、アルゼンチンのウシュアイア。南極大陸ツアーへのクルーズ船がこの街の港から出航するのです。南極大陸はマイナス50度以上を記録する地球上で最も寒い場所のひとつ。冬の期間、ほとんど太陽があたらず、観光に訪れることができるのは、夏のわずか数ヶ月です。今回乗り込んだのは、4千トン以上、定員122名の豪華客船「グリッパー・アドベンチャー号」。世界30カ国から究極の絶景を求めて150人の旅人が集まっていました。南米・ウシュアイアを出航した船は、世界で最も荒れた海峡のひとつ、ドレーク海峡の大海原へつっこんで行きます。
ついに南極半島へ。まずは南極半島の湾内を小型ボートでクルーズ。気温は0度くらいで風がさわやかです。ツアーのガイドさんの運転するボートのすぐそばにアザラシやクジラが悠々と泳いでいます。美しい氷河に囲まれた全く別世界のような風景。 どれだけ偉大な芸術家でも、こんな想像を超えた彫刻を作れるはずがありません。そして・・・ついに、ビーチから南極大陸に上陸。小高い丘の上にのぼると氷河と海の織りなす神秘の世界を一望できる絶景ポイントが・・・。さらに圧倒されたのは、激しい雪崩。数分置きに轟音を響かせ砕ける氷河。そして野生のペンギンたち。その数の多さにも驚きましたが、ペンギン達のあまりに無防備な人なつっこさは感動的。野生ペンギンが生きる絶景の大陸。ここはまさに人間が近づけない、最果ての楽園でした。