毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
ノルウェーの首都・オスロから飛行機で2時間。北国ノルウェーのさらに北を目指す玄関口・トロムソに到着します。北緯70度、北極圏はとっくに過ぎています。季節は真夏、白夜の季節ですが雨上がりの空港はおよそ、摂氏7,8度といったところです。港町に繰り出すと至るところにお魚屋さんが。屋台のおじさんに話しかけると、ここは大西洋タラの拠点なんだとか、できたてのかまぼこ?を早速いただきます。屋台のおじさんから、丘の上に登れるロープウェーがあると聞いて、さっそく漁港の対岸へ。マウンテンバイクのお兄さんたちと一緒にロープウェーに乗ることわずか5分。標高420m、トロムソの町を見渡せる展望台へとやって来ました。曇天の白夜に刺す鮮やかな陽光、まるで後光のような深遠さがありました。
トロムソ2日目。さあ、どこに行きましょう。町を歩くと、インフォメーションの建物がありました。親切なガイドさんが、北に向かうバスに乗れば、見どころが沢山あると教えてくれます。インフォメーションの近くにあるバス停から路線バスに乗り、さっそく北へ。バスに乗ること3時間、豊かな自然に囲まれたクヴァンナンゲンという村に降り立ちます。森林浴しながら散歩すると、「投げ縄」の練習をする親子に会いました。「投げ縄」の技術はこの辺りで生計を立てるトナカイ使いにとって必ず身に着けなければならないものなんだそうです。トナカイは今、放牧の季節。車に同乗させてもらい、放牧場へと向かいます。途中焚き火をしながらの、放牧トナカイのチェック。雲がなくなったとき、綺麗な虹がかかりました。虹の下にはトナカイの群れが。トナカイ親子の姿は、トナカイを飼育する親子の姿にも重なりました。クヴァンナゲンからは、世界中で人気のクルーズ沿岸急行船・フッティルーテンに乗り込みます。船で一晩過ごし、着いた先がノールカップのあるノルウェー最北の島・マーゲロイ島なのです。
さすが「世界で一番美しい航路」と言われるだけあって、白夜の沈まぬ太陽の中、フィヨルドの間を抜けていく景色に圧倒されました。そこへ、たまたまやって来た船長さん。操縦室からもっと良い景色が見られるかもとスペシャルな提案をしてくださいます。乗客800人の大型クルーズとあって操縦室も大きく、全てコンピューターで制御されているようです。優雅なクルーズですが、フィヨルド地形のため天候が変わりやすく操縦は大変難しいとのこと。朝9時、マーゲロイ島に到着しました。ノールカップへはどうやって行くのでしょうか?目印もなく地元の大工さんに聞くと、白いホテルの裏側にバス停があるとのこと。バスの絵が描かれた小さな看板があるだけ。本当にバスがやって来て、ほっと胸をなでおろします。バスに揺られること30分。ノールカップに着いた頃、あたりはあまりにも深い霧に覆われていました。これが、最果ての岬なのでしょう。断崖に沈まぬ太陽が、顔を出すのをじっと待ちます。