毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回はフランスの絶景をたっぷりとお届けする2時間スペシャル。一度は行きたい人気の世界遺産から、自然が秘めた驚きのスポットまで、フランスが誇る7つの絶景を巡ります。
旅の始まりはパリから。凱旋門やセーヌ川をめぐり、花の都を満喫した後は、さっそく絶景を求め、北フランスのノルマンディー地方へ向かいます。やってきたのは、セーヌ河口の港町オンフルール。印象派の巨匠モネら、多くの画家たちに愛され作品に描かれてきた町だそうです。異国情緒たっぷりの町をあてもなく散策していると、一軒の小さな画廊を発見しました。その画廊では、主の画家ダニエルさんが新たな作品に取り組んでいるところでした。聞けば、ダニエルさんもかつての巨匠たちのようにオンフルールの魅力に取り付かれた一人だそうです。その彼が作業の合間をぬって、町の郊外にある絶景の海辺まで案内してくれることになりました。そして車で辿りついたその場所には、白い石灰岩の断崖がそびえていました。断崖はゾウのような可愛らしい形をしていて、時間とともに移ろう太陽の光によってさまざまな表情を見せてくれました。
次にやってきたのは“海のピラミッド”の異名を取る修道院モン・サン・ミッシェル。モーターハングライダーに乗って、この神秘の修道院に上空からアプローチします。隣接する滑走路から飛び立つと、機体が一気に高度を上げていきます。しばらくすると、雲の合間からモン・サン・ミッシェルが顔を覗かせました。無数の巡礼者が訪れる孤高の聖地は、淡い光の中、凛と佇んでいました。
ヨーロッパアルプスの最高峰モンブランを目指します。その第一歩は、リヨンから。市場で出会った青年シェフのお店で、牛や豚の臓物を使ったリヨンの郷土料理を頂きます。お腹を満たしたところで、いよいよアルプスの麓の町シャモニへ移動。そこから美しい逆さモンブランが見られるという湖ラックブランへ向かいます。ガイド歴10年というセバスチャンさんの案内でトレッキングに挑戦することになりました。急斜面に岩だらけのルートは、想像以上に険しい道のり。ようやく辿り着いた湖ラックブランでは、神秘的な風景と対面しました。それは、とても静かな夕暮れ時の一瞬。夕日に染まるアルプスの峰々がまるで鏡のように湖面に映り、朱色の空までも湖を美しく染め上げていました。アルプスの大自然が生み出す、ほんのひと時の絶景に酔いしれました。
絶景大国フランスの旅を締めくくるのは、ピレネー山脈の大パノラマです。トゥールーズから麓の町、ラ・モンジにやってきました。目指すは、ピレネーの山頂につくられたピック・デュ・ミディ天文台です。頂上までは、麓からケーブルカーに乗り15分。展望台には周囲360度、美しいピレネーの山並みが広がっていました。早朝の朝日を見るためにここで一泊。一日わずか19人しか泊まれない貴重な宿です。翌朝6時に起きてデッキに出てみると、朝焼けに染まる地平線。やがて太陽が雲をやさしいピンク色に染め上げ、ピレネーの山々を照らしていきました。ゆっくりと目覚めるピレネー。クライマックスにふさわしい、息をのむほどの美しさを目の当たりにします。