毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
旅の始まりはドイツ西部の大都市、フランクフルトです。ヨーロッパでも指折りの高層ビル街を抜けると、辺りは一変。異国情緒ただようレトロな町並みが見えてきました。市場でフランクフルト名物のソーセージを食べた後は、地元の人々が憩いの場にしているマイン川へ。かの有名なライン川と名前が似ていますが、実は支流。川沿いに行けば、ライン川の美しい風景が楽しめると聞き、さっそく向かうことにしました。
まずは、鉄道に乗って、ライン川沿いの町、リューデスハイムへ。そこには、スイスアルプスから北海へと注ぐ、遙かなる大河が悠々と流れていました。その川沿いの斜面には、たくさんのぶどう畑が。何と、ローマ時代から、この辺りでは、ぶどう作りが盛んで、そのぶどうを使ったワインが古くからの名産だとか。ぶどう農家の方にワインをごちそうになった後、一緒に町が一望できるという展望台へ。そこで見えたのは、ドイツの人々が“父なる川”と称えるライン川の広大な風景と、どこまでも続くぶどう畑。遠い昔から変わらぬ、ドイツの原風景に出会うことができました。
翌日は、リューデスハイムからクルーズ船に乗って、ラインの川下りを楽しむことにしました。まず、出迎えてくれたのは、川沿いのロマンチックな古城。幾つもの城が並ぶ、この辺りは、ライン川クルーズの中でも人気スポットで、世界遺産にもなっているとか。そして、目の前に現れたのは伝説の岩、ローレライ。この岩に船が近づくと、美しい人魚が現れて船乗りを誘惑して船を転覆させるといわれています。
さらに、船の中で出会った地元の人々に、ライン川を称えた美しい歌を聞かせてもらえました。4時間のクルーズですが、時間を忘れてしまうほどの、とても楽しい船旅になりました。
クルーズの終点、コブレンツという町では、ライン川の不思議な風景に出会いました。
その一つは、“ドイツの角”と呼ばれる、ライン川とモーゼル川の合流地点。2つの川は交わっているのに、それぞれ、別の色をしていているのです。ここから20キロ先まで、2色のストライプを描いたままなのだとか。もう一つが、奇妙な間欠泉。ライン川沿いにある、その泉は、2時間に1度、高さ60メートルまで噴き上がります。何と、その水、飲むことも出来て、温度は20度ぐらい。地下で自然に生まれた炭酸水が噴き出したもので、この現象は世界的にも珍しいそうです。
そして、旅の最後に出会ったのは、ライン川がもっとも美しく輝く瞬間。夕暮れに照らされた恵みの水は、黄金色に染まっていました。