毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
成田から直行便の飛行機でおよそ9時間半。北欧というととても遠いイメージがありますが、実はフィンランドは、日本から「一番近いヨーロッパ」と言われています。距離だけでなく、人柄も日本人に似ている気質がいくつかあります。まじめであること、手先が器用なこと、そしてホスピタリティが根付いていること。ヘルシンキの街を散歩していると見知らぬ人から、「パイヴァー(こんにちは)」挨拶されることが多く、人懐こさは北欧諸国の中でも一番なんだそうです。散歩中、おしゃれな教会の中で、通訳のユハさんと知り合いになります。ユハさんとの歩いていると、これまたおしゃれな食器のお店を見つけました。中には、ムーミンのマグカップが沢山あります。ムーミンの物語は、フィンランドで生まれたんですね。
ヘルシンキの食器屋さんでお客さんにいいことを聞きました。車で2時間ほどのところにタンペレという「ムーミンの故郷」があると。さっそく、ユハさんにお願いし、連れていってもらうことにしました。午後7時を過ぎても全く暗くなりません。今、フィンランドは白夜のピークで夜中の12時になっても、全く暗くならないのです。そのおかげで、不思議な白夜の風景を眺めることができるんだそうです。タンペレの中心部に行く前に、途中下車。ユハさんお勧めの高台があるんだとか。灯台のような建物に登ると、フィンランドの象徴風景とも言える「森と湖の景色」眼下に広がりました。うっすらと霞がかって、白夜独特の光が差しています。まるで、ムーミンやスナフキンの話し声が聞こえてきそうな雰囲気。ここが、ムーミン谷の入り口なのかもしれません。
タンペレ2日目、街の公園で「ムーミン劇」に出会います。そのスタッフ、ヘイッキさんはかつては「スナフキン役」で鳴らした、人生の放浪者を体現するような方です。ヘイッキさんが、タンペレ周辺を案内してくれることになりました。まずは、港から森と湖を遊覧する蒸気船に乗ることになりました。この辺りの人たちにとってはのんびり時間を過ごすための何よりの楽しみなんだそうです。この蒸気船、何と105年の歴史があり、周遊ルートもほとんど変わっていないんだとか。湖上から、湖畔の家に遊ぶ人たちが見えます。釣りをしたり、泳いだり、読書をしたり、多くのフィンランド人が休暇を過ごすサマーコテージです。
ヘイッキさんの友人も、そんなサマーコテージを持っているということ。翌日、訪ねてみることにしました。タンペレからあるくこと1時間、サマーコテージはカンガサラという美しい小さな村にありました。縦長の広い庭で贅沢な時間を過ごします。お昼は、バーベキュー。食事の後はフィンランドには欠かせないもの、サウナです。火照った体を、目の前の湖でクールダウンさせた後、気持ち良くなって眠ってしまいました。気づいたときには、午後8時過ぎ。白夜のカンガサラでは、アフタヌーンのような明るさです。最後に、ヘイッキさんがどうしても見せたい場所があるとのこと。気持ちの良い白夜の散歩がスタートです。