「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#172 最果ての諸島アソーレス(ポルトガル) 2013/8/30 O.A.

リスボン

日本から飛行機でおよそ20時間。やってきたのはヨーロッパ大陸の一番西側、ポルトガルの首都リスボンです。街中は人でごった返していました。聞けば、この日はリスボンの守護聖人、サン・アントニオのお祭りなのだそう。人ごみを抜けて、静かな路地に入ったら、今度はたくさんの屋台が並んでいました。しかも、どれも焼き魚を売っています。港町リスボンでは、この時期、イワシが美味しいため、お祭りでも盛大に焼いて食べるのだそう。香ばしい匂いを楽しみます。
市街地に出て、一息。ジュース屋さんで出会った女性に、大西洋に浮かぶアソーレス諸島を勧められました。そして連れられてやってきたのは、個性的な衣装を身につけた人形がいるお店。中に入るとアソーレス諸島の土産物屋さん。陳列棚には美味しそうなチーズやワインが並び、アソーレス諸島は「海と緑とお花に囲まれた天国のような島」だといわれて旅の目的地をアソーレス諸島に決めました。

アソーレス諸島/ファイアル島

リスボン空港から飛行機で2時間半、最初の島、ファイアル島に到着。空港でガイドに出会い、ファイアル島の中心都市、オルタの港に連れて行ってもらいます。道中、道を囲むように続く生け垣が、実はアジサイだと教えられます。通常は満開のはずが、今年は時期がズレてしまったとのこと。残念に思いながらオルタの港に到着しました。
マリーナを歩いていると、数百メートル先まで地面いっぱいに沢山の絵が描いてある、不思議な光景を目にしました。そこで出会ったカップルに聞いてみると「この港に絵を書くと安全な渡航が約束されると言われているんだ。」ここは、世界中のヨットマンが寄港する重要なマリーナだったのです。そして「良ければ僕たちの船に招待するよ。」と、お誘いを頂きます。約束をして一旦お別れ。休憩で立ち寄ったカフェで、オーナーが「面白いものがあるよ」と見せてくれたのは、世界中から集まるヨットマンに宛てた家族や友人からの手紙。カフェが80年前から続けてきた、変わらぬサービスです。先ほど出会ったカップルと再会し、ヨットの中を見せてもらいました。おいしいワインをごちそうになり話も盛り上がります。
再び合流したガイドさんから「良いものを見せてあげるよ」と向かったのは町のはずれ。その小道には何とアジサイが咲いていました。こっそり、咲いているところを探していてくれたのです。
最後に連れて行ってくれたのは、ファイアル島始まりの地、カルデイラ。島の真ん中にある火山口です。直径2キロ、深さ400mの巨大なカルデイラは深い緑で覆われ、時間の流れを感じました。

アソーレス諸島/フローレス島

最後の目的地、アソーレス諸島最西端のフローレス島に到着。空港で紹介されたタクシードライバーと一緒に島巡りをした後、ヨーロッパ最西端の町ファージャ・グランデへ。町のメインストリートで、放牧に向かう一家に遭遇、そのまま同行させてもらうことに。石垣に囲まれた牧草地に牛を放ち、明日、また会う約束をします。翌朝、乳搾りに同行し搾りたての牛乳を頂きました。お昼ご飯は美味しい牛肉の煮込み料理に自家製のパンとチーズに舌鼓、素朴な家庭の温かさに触れます。
食事の後にみんなで向かったのは、トウモロコシ畑。馬の力で畑を耕し、手作業で種を撒いていきます。畑を耕していると出てきたのは大きな石です。島中に張り巡らされている石垣の石は、全て耕作中に出てきたものだと知ります。