毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
ミャンマー中部の聖地・マンダレーから旅は始まります。ここはイギリスに占領される前、最後の王都が置かれていた場所、仏塔や寺院、旧王宮など歴史的な建物が多く、ヤンゴンに次ぐミャンマー第2の都市として大変な賑わいを見せています。小さな市場で出会った姉妹。学校に行く前、お姉さんが妹に可愛らしいお化粧をしてあげています。白い葉っぱをほっぺたに塗ったお化粧。これはミャンマー独特のもので「タナカ」と言うんだそうです。大通りを歩くと「ポロンポロン」と優しい楽器の音色が聞こえてきました。おじいさんが小さな店先で、竪琴を引いています。先祖代々、プロの竪琴奏者だというおじいさん。ご先祖は王様の前でもご披露していたという由緒正しい演奏をしていただきました。「目を閉じれば、竪琴の音が思い出されるであろう」というおじいさんお勧めのウーベイン橋。真っ赤な夕焼けが沈む中、僧侶が木造の橋を渡る様子はまさに「ビルマの竪琴」の世界です。
マンダレーから飛行機に乗り、あっという間の30分。仏教にまつわる聖地の多い、ミャンマーでも仏塔の多さでは世界的にも名を轟かせる、バガンの空港に降り立ちます。ここで待ち合わせたのがガイドのミンさん。「仏塔のバガン」を見る前に、是非見て欲しい伝説の場所があるとのこと。空港から車を走らせること1時間。平原に突然、四角くて大きな岩山が現れます。標高737m、あまりにもインパクトのあるその岩山はまだミャンマーに仏教が根付く前に土着の神様たちが活躍していた聖地として様々な伝説が残る場所なのです。敬虔な仏教徒でありながら、インパクトのある聖地にも絶大な信頼を寄せるミャンマーの人々の大らかさを感じることのできるひととき。今夜は、タウンカラを見下ろせるホテルで一泊。異彩を放つ岩山に落ちるサンセットを堪能します。
旅のクライマックスは、バガンの中心へ。広い平原に、大小数千はあるという仏塔が立ち並ぶ姿はまさに絶景。しかも、この膨大な数を11世紀から13世紀のパガン王朝、わずか250年の間に建てたというのが驚きです。ひとつひとつに物語を持った仏塔間を移動するにはクラシカルな馬車が便利。馬車に揺られながら、舗装されていないからこそ歴史に浸れる緩やかな時間です。そんな仏塔のうちの一つ、ダマヤズィカ・パヤーでは手を繋いで歩く素敵なご夫婦に会いました。何でも、二人の出会いの場所であるとか。不謹慎ではありますが(?)、デートコースなのかもしれません。仏塔の仏様に祈りを捧げると、ご自宅が近所にあるとのこと。お昼に誘ってくれました。お二人の家は漆器の工房を兼ねています。バガンは、ミャンマーでも有数の漆器の産地です。お昼は、工房の職人さんたちと一緒に。仕事には厳しく、休む時は和気あいあいと、楽しい職場のようです。旦那さんに教えてもらった、バガンの絶景スポットは空の上。毎朝、熱気球のツアーが組まれ朝焼けの中、空から見る仏塔の眺めは最高とのこと。良いことを聞きました!