毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の舞台は極寒の時期を迎えた北欧の国スウェーデン。首都ストックホルムに降り立つと、今にも雪が降り出しそうな鉛色の空、町の温度計はマイナス1度をさしています。まずは防寒対策、と手袋を求めて雑貨屋さんへ。店内は北欧らしい素敵なインテリアグッズが並べられていました。手袋を購入後、店員さんに話を伺うと、スウェーデンの冬は日照時間が少ないため、室内の暮らしを大切にしているとのこと。そのため、どの家もインテリアにこだわり、部屋を自慢するのが大好きなんだそうです。町で知り合った女性2人に連れられ、一般の家庭にお邪魔することになりました。室内は白で統一されたダイニングキッチンや、ゆったりくつろげるリビングルームがあり、とても洗練されています。お茶を頂きながら旅の相談を持ちかけると、北部にアイスホテルという美しい氷のホテルがあると教えてくれました。早速、ストックホルムから飛行機に乗り北の大地を目指します。
ストックホルムから飛行機でおよそ2時間、北極圏の町キルナへやってきました。空港の気温はなんとマイナス10度。滑走路は一面氷で覆われています。ホテル専用のシャトルバスに乗っておよそ10分でアイスホテルに到着です。中に入ると、そこには氷だけの世界が待っていました。室内はマイナス5度に設定され、柱からシャンデリア、宿泊用の部屋まで、アーティストたちの手によって美しい氷の芸術作品に仕上がっています。材料の氷は氷点下で凍ってしまった天然の川。ホテルは太陽が輝く季節になると、すべて解けて川に戻っていくのだそうです。午後3時、日没の時間がやってきました。空が薄闇をまとうにつれ、ライトアップされた雪と氷の壁がゆっくりと色を変えていきます。夜になると、氷のホテルは漆黒の闇にぽっかりと浮かび上がりました。凍てつく大地が生み出した幻想的な氷のアートに出会いました。
キルナのタクシー運転手から、イェリバーレという町で熱気球大会がある、という情報をもらい行ってみることにしました。イェリバーレはキルナから鉄道でおよそ1時間の町です。熱気球のことを詳しく聞こうと町の観光案内所へ行くと、今日は吹雪で中止になったと知らされます。仕方なく、観光案内所の方のすすめでアイスホッケー教室の見学をすることになりました。もらった地図の場所へ行くと、屋内のスケート場で幼い子どもたちが懸命に練習をしています。その後、ホッケー場で知り合った家族の家に一晩泊めさせてもらうことになりました。翌日、天気が回復し、いよいよ熱気球大会に参加できることになりました。イェリバーレの熱気球大会は世界で一番北で行われる大会で、世界中の気球乗りとともに一般の人も乗せてもらうことができます。ふわりと飛び立ったかと思うと、イェリバーレの町があっという間にジオラマのように小さく見えました。樹氷の隙間からは、野生のヘラジカたちの姿が。静寂に包まれた神秘的な世界。厳しい寒さが生んだ白銀の森がどこまでも続いていました。