「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#150 緑の大渓谷ブライデリバー・キャニオン(南アフリカ) 2013/3/22 O.A.

ヨハネスブルグ旧黒人居住区のサッカー少年たち

ヨハネスブルグは南アフリカ最大の街で、国際空港のある国の玄関口でもあります。ここから南アフリカ東部の旅を始めました。まず感じたのは、とても乾燥していて、太陽が大きい!ということ。この街の標高が1700メートルもあると知って、納得しました。その一方で、街はどこもかしこも緑にあふれています。聞けば、全ての街路が計画的に植樹されているんだとか。世界で最も緑が多い街並みだと、ガイドをしてくれたショーンさんは自慢していました。ヨハネスブルグ郊外のソウェトと呼ばれる地区を訪ねました。ここは、アパルトヘイト時代、移動や居住の自由を奪われていた黒人たちが押し込められていた旧黒人居住区です。ここに住む人々は、すれ違えば陽気に手を振ってくれたり、おどけてダンスを見せる女の子もいたり、とても明るい!そんなソウェトで子どもたちが夢中になっていたのは、やっぱりサッカーでした。裸足で空気の入っていないボロボロのボールを蹴っていた小さい子、翌日の試合に向けて最後の追い込みにコーチの檄が飛んでいた地域のクラブチーム…。頑張れー!って声援を送りながら見ていると、時間が経つのを忘れてしまいました。ちなみに…日本では一般的にヨハネスブルグと言われますが、現地では「ジョハネスバーグ」と発音され、「ジョバーグ」と短くして呼ばれることが多いようです。

エンタベニ「ゲームドライブ」で野生動物に迫る

南アフリカには多彩な野生動物たちが暮らしています。数多くの国立公園で動物たちが保護され、サファリを楽しむことができるほか、私設の動物保護区が数多く運営されているのも、南アフリカの特色です。そんな私設動物保護区のひとつ、エンタベニでゲームドライブに挑戦しました。ここでいうゲームとは、野生動物のこと。レンジャーと呼ばれる動物の習性に詳しい専門家の案内によって、専用の4WD車で保護区内を縦横無尽に駆け巡り、野生動物との出会いを楽しむことをゲームドライブといいます。案内してくれたのは、レンジャー歴18年で、若きレンジャーの教官も務めるJP(ジェーピー)さん。元ラグビー選手だけに、がっちりした体格は頼もしいかぎりでしたが、その笑顔もまた素敵でした。JPさんは他のレンジャーとも常に無線で連絡を取り合いつつ、草木の状態、残された足跡や糞など動物の痕跡を辿り、動物たちのもとへ連れて行ってくれました。ゲームドライブでは、人気の動物5種(ライオン、ゾウ、サイ、ヒョウ、バファロー)を「ビッグ5」と呼んでいます。「絶対、ビッグ5に会わせる」と言ってくれたJPさん。すると、仲間からの無線連絡に色めきだちました。「すぐに行こう!ライオンがいた!」。全速力で現場へ…。はたして、そこで見たものとは…!?

絶景の宝庫パノラマルートを往く

南アフリカ東部の旅、最後は「パノラマルート」と呼ばれる絶景の宝庫をドライブしました。『神様が覗いた窓』という意味のゴッズウィンドウなど、いくつもの展望ポイントがあり、パノラマルートという名にふさわしい景観が続きます。川の複雑な流れによって、丸くえぐられたような穴がいくつも作られた不思議な景観を楽しめたのはブルックス・ラック・ポットホールズ。自然の芸術を堪能していると、あるカップルがコインを投げ入れるのを見かけました。聞くと、ここからコインを投げて願い事をすると叶うという話が伝わっているんだとか。オランダから来ていたこの2人は、来年結婚する予定で、幸せな結婚生活を願ったそうです。その話を聞いて、「これからも素晴らしい絶景にめぐりあえますように…」と願い事をしました。すると、さっそく、その願いが叶う瞬間が訪れました。パノラマルートのハイライト、ブライデリバー・キャニオンの絶景ポイントです。着いた時は真っ白い霧がかかって何も見えない状態…。ところが、しばらく待つと、目の前に緑の大渓谷が現れたのです。世界で3番目、緑に覆われた渓谷としては最大規模という大迫力の大パノラマに、思わず息をのみました。