毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の旅は、イギリス北部にあるスコットランドが舞台。まず訪れたのが、政治・文化の中心都市エディンバラ。この街は、火山の溶岩の上にできた街で、その大地から削り取った砂岩で建物が造られているため、どこを見ても茶色い街なんだそうです。もちろん、街のシンボルであるエディンバラ城も砂岩でできています。城からは午後1時を告げる号砲が鳴り響き、街の中では、スコットランド伝統のバグパイプの音色が観光客を楽しませています。なんだか歩いているだけで中世時代を味わえるような素敵な街ですね。夕方、街が見渡せるカールトン・ヒルという丘に向かいました。残念ながらきれいなサンセットは見られませんでしたが、街はそれ以上に美しい表情を見せてくれました。昼間は茶色だった街並が一斉に青紫に変わっていきます。光の当たり方で、こんなにも街の表情が変わるんですね。妖しく光る古都エディンバラは、不思議な魅力を持つ街でした。
翌日はエディンバラから電車に乗り、北を目指します。今回はスコットランドの大自然をめぐる旅、その目的地はスカイ島です。エディンバラを出ると、すぐにのどかな田園風景へと変わっていきます。フォート・ウィリアムという町で乗り換えようとした時、目の前の乗客が良いことを教えてもらいました。フォート・ウィリアムのすぐ近くにグレンコーという峡谷があって、そこは世界中からハイキング客が訪れるという絶景の峡谷だそうです。早速グレンコーに行ってみると噂通り、たくさんのハイキング客が登山の準備をしていました。初心者でも簡単に登れる山もあるというので、挑戦することに。そして歩くこと30分、頂上で待っていたのは素晴らしいサンセットでした。どこまでも続く深い谷とそれを作り出す山々。谷間から射し込む光が、山肌と霧状になった雲を照らし、辺りを真っ赤に染めあげました。途中下車で出会ったのは、なんとも幻想的な絶景でした。
翌日は、フォート・ウィリアムから蒸気機関車、そしてフェリーへと乗り継ぎスカイ島に到着しました。現地の言葉、ゲール語で「霧の島」という意味のスカイ島。その名の通り、島はちょっと薄曇りです。でもガイドさん曰く、この霧が自然の美しさを際立たせているそうです。たしかにどこかミステリアスな雰囲気の漂う島ですね。霧の島、スカイ島随一の絶景が見られるという場所に連れてきてもらいました。ここではオールドマン・オブ・ストールという岩の尖塔が見られるそうなんですが、辺りは濃い霧に包まれて100m先も見えません。本当に絶景が見られるのでしょうか?半信半疑でガイドさんと山を登り頂上で待つこと2時間、突然、陽の光が射し込み、厚い霧のカーテンを追い払っていきます。見えたのは大地から突き出すようにそびえ立つ石の柱、オールドマン・オブ・ストール。力強い地球のエネルギーを感じる自然の彫刻です。そして大地と海には、暖かな太陽の光が広がり、輝きを放っています。太陽と霧が作り出した奇跡のような絶景に心が震えました。