「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#144 最北の村 シオラパルク(グリーンランド) 2013/2/8 O.A.

イルリサットの氷山

デンマーク自治領のグリーンランドは氷雪が支配する世界最大の島。極北の地で、どんな風景が待っているのでしょうか?コペンハーゲンから飛行機で向かったのはイルリサット。空港内の気温はマイナス20度を示しています。外に出ると「寒い」というより「痛い」。そして目の前に広がる、圧倒的な氷河の世界。世界遺産の「アイスフィヨルド」がある美しい町です。さっそく街を散策しますが猛吹雪。船が海に凍り付いてしまっています。ホテルの従業員さんからから耳よりの情報が。歩いて美しい氷山を見に行けるコースがあるというのです。さっそくタクシーを飛ばして、海岸へ。日の沈む氷河の切れ端にギリギリ間に合いました。

カーナック、植村直己のたどった道

イルリサットから飛行機で3時間北上し、カーナックに到着。ここまでは飛行機が週に一度しか飛ばず、水洗もシャワーもほとんどない極北の地です。宿泊ホテルの管理人・ハンスさん曰くかつて、冒険家の植村直己さんはカーナックで、犬ぞりの練習をしていたとのこと。その人懐こい性格でここでも人気者だったそうです。赤く沈む夕日に勇気をもらい、マイナス30度の中、犬ぞりツアーに挑戦します。行く先はシオラパルク。かの地も、植村さんが居を構えていた村。油断をすると手足の凍傷が始まる危険な美しさの中、片道60キロの行程を良く鍛えられたグリーンランド犬に引かれながら進みます。ようやくシオラパルクにたどり着いたとき、辺りはもう真っ暗。通常5時間半と言われる工程は、何と11時間もかかっていました。

地球最北の村・シオラパルク

シオラパルクの朝は、午前9時頃遠くに見える氷山の先に出る金色の朝日と、犬たちの遠吠えで始まります。現在、村の人口は70〜80人と言われていて、過酷な自然環境の中、人々は助け合いながら生きています。28歳のカイユグアさんはすでに5人の子持ち。そのうち2人は養子に出して、今新たな命を宿しているとのこと。彼女は猟師の妻をしながら、村に唯一ある小学校で代用教員をしています。村を散策してると、これからまさに猟に出かけるという猟師のカールさんに出会います。アザラシ猟を目の当たりにできる最大のチャンスです。再び極寒の中、犬ぞりに乗って凍った海へ。果たしてアザラシは見つかるでしょうか?夕食は、カールさん宅で、セイウチ料理をご馳走になります。天然の冷凍庫、庭先で凍りついたセイウチの肉を40分間、たっぷり煮込みます。味付けは一切なし、セイウチの血肉そのものをししっかり味わいます。ここでは生きとし生けるもの無駄なものは何一つありません。見上げると満天の星がきらめいていました。