毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
地中海の西に浮かぶコルシカ島。照りつける太陽とどこまでも青い海が旅心を刺激する島。今回の旅は、手つかずの自然が残されたこの緑豊かな島で絶景を探します。 最初に訪れたのは、島の南端の町ボニファシオ。岬の断崖絶壁の上に築かれた中世の町並みが威容を誇っています。周囲を砦で守られたボニファシオは、その昔、難攻不落の要塞都市として周辺諸国に名を馳せたと言われています。そんな歴史に思いを巡らしながら旧市街を歩くと、当時の繁栄の名残が建物や石畳からまるで蜃気楼のように眼前に迫ってきました。
次にやって来たのは、ナポレオンの出生地、アジャクシオ。ここにはコルシカ島の内陸を縦断する観光列車の始発駅があります。さっそく列車に飛び乗り、目指すは島の北部カルヴィ。コルシカ島の見どころは美しい海だけではありません。急峻な山岳地帯が続く内陸部も絶景の宝庫です。コルシカ鉄道は渓谷を縫うように島を北上してゆきます。ダイナミックな車窓は圧巻!まさに絶景列車です。途中、山間のコルテ駅で降りてみることにしました。童話の世界に紛れ込んだような小さな可愛い町コルテでは、島独特のゆっくりと流れる時間を満喫することができました。夕方、再びコルシカ鉄道に乗って、終着駅カルヴィへ。列車が山岳地帯を抜けて海沿いに差し掛かった頃、車窓には夕日で金色に輝く地中海が広がっていました。コルシカ島の素敵な一日が、静かに終わろうとしていたのです。
最後に向かうのは、島の沿岸にある絶景、スカンドラ自然保護区。まずはその玄関口、ポルトの港から遊覧船に乗り、目的地を目指します。スカンドラの絶景は、赤く染まった奇岩群とエメラルドブルーの海。目の前に立ちはだかる奇岩は、なんと2億5千万年前にできた花崗岩だそうです。まるでタイムスリップしたかのような原始の風景に息を飲みました。 地中海の穏やかな島、コルシカで出会った驚異の大自然。悠久の時を越えて秘められた宝のような絶景に出会えた島でした。