毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の旅は、北京から列車で約8時間、中国東北地方の中心都市ハルビンから始まります。駅前に降り立つと、なんだかヨーロッパ調の建物がたくさん…。おすすめの場所はどこなのか、3輪タクシーの運転手さんに聞くと「中央大街」を勧められたので、連れていってもらうことに。中央大街はハルビン駅前よりもさらにヨーロッパ調な街並みです。聞けば19世紀末にロシア人の手によって造られたそう。通りを歩くと行列ができるほど人気の「ロシアパン」があり、少し裏通りに入ってみれば地元の伝統料理と出会います。料理人のおじさんが言うには東北地方は、中国でもとりわけ良質な食材が豊富にとれるのだとか。最後は松花江で夕涼みをしながら、夕日を眺めます。
翌朝は朝市へ。新鮮で立派な野菜がズラリと並び、ほとんどは無農薬の有機野菜なんだとか。そして朝市で出会った農家のおばさんに連れられハルビン郊外の呼蘭(フーラン)にある畑へ。栽培されている見事な長ネギがここの特産で、遠く上海や北京にまで出荷されているそうです。その他にも大きな白菜やジャガイモを収穫。その後、おばさんのご自宅で自慢の手料理を味わいます。とれたての大地の恵みは格別な美味しさです。
東北地方随一の絶景として勧められた五大連池。火山の噴火でできた5つ湖にちなんだ地名だそうです。ガイドさんと共にそのうちの1つ、「第三池」を見に行くと、「池」と言うにはあまりにも大きい、海のような風景が広がっていました。さらに周囲をドライブすると、黒々とした岩のようなものが大地を覆い尽くしています。これはなんと噴火で流れ出た溶岩が固まったもの。五大連池は数百年前の噴火によってできた溶岩地形が非常によく保存された世界でも有数な場所だそうです。荒涼とした風景の中にもラクダやサルに似た姿の溶岩があり、目を楽しませてくれます。夜にはガイドさんのお宅にお邪魔して五大連池でとれた大きな魚をご馳走になります。
旅の最後に五大連池の5つの湖をすべて見るために黒龍山に登ります。その前に五大連池の恵みをもう一つ、ガイドさんが見せてくれました。案内してくれた先にはなみなみと湧く五大連池のミネラルウォーターがありました。この水は鉄分を多く含んでおり健康に良いと言われるため、これを目当てに近くで療養する人も多いそうです。喉を潤したあとはいよいよ黒龍山へ。途中、大きく口を開ける噴火口を通り過ぎ、山の頂上へ到着。そこからは五大連池の5つの湖とともにはるか遠くまで東北地方の大地を眺める事ができます。沈む夕日によって赤く染められた五大連池は神秘的な美しさを醸し出していました。