毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
西グルジアの玄関口はグルジア第二の都市クタイシです。まずは市場を訪れました。香辛料やチーズ、野菜、肉が豊富に並んでいます。その中に長細いオレンジ色の食べ物を発見。ナッツを紐に結び、ぶどうジュースで固めた「チュチュヘラ」というグルジア名物のお菓子だそうです。 クタイシから車で北へ5時間、スワニティ地方のメスティアに到着しました。この街で目立つのは「塔の家」と呼ばれる煙突のような建物。部族同士の闘いから家族を守るために造られたもので、12世紀に造られたものがいまだに残っているのだそうです。中に入り、細い階段を登っていくと、なんと7Fまでたどり着きました。このメスティアだけで48もの塔が残っていて、夜は綺麗にライトアップされていました。
メスティアからは四駆に乗り換え、悪路を東に3時間走ると、ウシュグリ村に到着しました。ここで出会ったおじさんから家に招かれました。奥さんは料理名人ということで、先日のチーズ料理コンテストで優勝したほどの腕前。チーズや肉入りパンの作り方を見せてもらい、出来立てをいただきました。72歳のおばあさんは今でも牛の乳搾りの現役。見事なリズムで牛乳を絞り出していきます。夜はパーティーにも呼ばれ、楽しいひと時を過ごしました。 翌朝、おじさんが大好きだという場所に連れて行ってもらいました。緑の大きな山の合間にグルジアで一番高い山、シハラ山が雪を抱き、快晴の空をバックにそびえ立つ様は、まさに絶景でした。「ここ以外に住むことは考えられない」というおじさんの誇らしげな一言がまさにその風景を物語っていたのでした。
西グルジアの旅で最後に訪れたのは、巨大洞窟都市だったヴァルジア遺跡です。 入り口で待ち合わせしたのは、ローカルガイドのムフラニさんです。72歳とは思えぬ軽やかな足取りで、洞窟の中をどんどん進んでいきます。会議室、食堂、水汲み場などの当時の暮らしをムフラニさんが紹介してくれます。中には12世紀に作られた教会があり、当時から残る見事なフレスコ画が壁面に描かれていました。今はここに修道士が8人住んでいて、修復作業や修行をしているという話でした。 ムフラニさんが最後に案内してくれたのは川を越えた遺跡の反対側。そこは洞窟都市が一望できる場所でした。ここに最大で2万人も住んでいたなんて、当時の生活を思い馳せながら、いつまでも眺めていたい風景がそこにはありました。