毎週水曜日よる9時オンエア
地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
今回の旅はエストニアの首都タリンから。城壁に囲まれた旧市街へ歩いていくと、なにやら不思議な格好をした人たちがいる。よく見てみると中世の貴族や騎士など。広場では市がたっている。そこを覗くと、そこにも中世の衣装を着た人たちがいる。訳を聞いてみると、「中世祭」というお祭りだそうだ。古い建物と衣装が良く似合って、中世にタイムスリップしたみたい。エストニア人は良く歌を歌う。有名なのは5年に一度行われる「合唱祭」今年は行われないが、30万人が集まる巨大な会場を見てみることにした。そこは巨大な野外コンサートホール。壮大な合唱の様子が想像できる。ここで出会った親子に自宅に招かれた。毎回合唱祭に参加しているそうだ。家族からサーレマー島という島で音楽祭があると聞いた。早速サーレマー島に行ってみる事に。家族と別れ町に戻ると、午後10時でやっと日没。北欧の長い一日がやっと終わりを告げようとしている。タリンの町の赤い屋根が夕日でさらに赤く染まる。北欧の夏の絶景に出会いました。
バルト海に囲まれエストニアで一番大きな島、サーレマー島。音楽祭の会場へ向かう途中、一面の菜の花畑がある。代々この島で菜の花を育てている人がいる。菜の花畑はこれからも守って行きたいそうだ。平坦で広大な菜の花畑は一つの絶景だ。この日、音楽祭は合唱部門が行われる日、合唱団は島の教会などの施設を回りながら歌を披露する。向かったのは森の中のソ連統治時代に砲台があった場所。ちょうど円形劇場のようになっている。歌声が森に響きわたり自然と調和したハーモニーを聞かせてくれた。合唱団の人からエストニア人の歌の原点の島があると聞いた。次の目的地はキヒヌ島。バルト海と島が一望できる灯台から見る風景は、ソ連から独立し自由を得たエストニアの人々のようにすがすがしく短い夏の絶景だ。
旅の最後はキヒヌ島。エストニアの原風景が残る島だ。山などはなく、平坦な島だ。島を歩いていると、一人の老婆に出会った。家を案内してくれるという。普段はジャガイモなど畑で育てて自給自足の暮らしをしているそうだ。老婆が歌を歌ってくれた。漁師だった父親が歌っていた歌だそうだ。暮らしや労働の中から生まれた歌。これがエストニア人の歌の原点なのかもしれない。さらに島を歩くと、軒さきでバイオリンの練習をしている人たちと出会った。この日は民謡の発表会があるそうだ。一緒に発表会を見に行くことにした。どうやら民謡はこの島の観光に一役買っているようで、観光客が集まってきた。歌は結婚式のときに歌う歌など暮らしに密接に関わっているものばかり。この島が原点と呼ばれる意味がわかったような気がした。川沿いに出ると漁師が船の整備をしていた。これから海に出るらしい。船に乗せてもらい、海から島を見てみることにした。段々とバルト海に沈む夕日にどこまでも平坦な島がシルエットになる。そして水平線とシルエットが溶け合う幻想的な絶景に出会った。