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地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)
北アフリカのモロッコを縦断する今回の旅。大西洋に面したモロッコ随一のビジネス都市“カサブランカ”を出発し、900キロ彼方の“サハラ砂漠”を目指します。
最初に訪れたのは、サハラと大西洋沿岸都市とのキャラバン交易で栄えた“マラケシュ”です。20キロの城壁に囲まれた旧市街の中心にあるジャマ・エル・フナ広場には水売りやヘビ使いなどの大道芸人が集まり、見物人たちの作る大きな人垣ができていました。喧噪に満ち、活気みなぎる市場を散策して再び広場に戻ってみると数えきれないほどの屋台が出現し、幻想的な風景をつくっていました。24時間眠ることのない広場で人々が織りなす熱気渦巻く絶景です。
カサブランカから南へ600キロ。サハラ砂漠の入り口の町“ザゴラ”に到着しました。あいにく砂嵐の真っ只中で砂が体にたたきつけてきます。砂嵐の中を歩いていると「トンブクトゥまで52日」と書かれた看板を発見しました。かつて黄金貿易が盛んだったころ、マリ王国の都までのラクダのキャラバンでの所用日数のことです。
この町でサハラ砂漠へのツアーに申し込みました。1泊2日のツアーへ4WDの車でサハラへ連れていってくれるのは、砂漠の遊牧民出身のドライバーさん。はたしてサハラはどんなところなのでしょうか。
砂漠を目指し、道なき道を走っていると石がゴロゴロしている荒野にさしかかりました。ドライバーさんが拾ってきた大きな石をよく見ると、それは海洋生物の化石でした。砂埃舞うこの場所が太古の海だったとは驚きです。
さらにザゴラから120キロ、ついに念願だった砂の海“サハラ砂漠”に到着。ベースキャンプでラクダに乗り換えてサハラの奥地を目指します。見渡す限り“砂の世界”。聞こえるのは風の音だけ。気がつくと夕陽が静寂の大地を染めあげていました。