「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#111 虹の架け橋 ビクトリアの滝(ジンバブエ) 2012/6/22 O.A.

世界三大瀑布、ビクトリアの滝へ

今回の旅の舞台は、アフリカ大陸南部に位置するジンバブエ。北米のナイアガラ、南米のイグアスと並び、世界三大瀑布と称されるビクトリアの滝を巡ります。
日も落ち始めた頃、私がやって来たのは首都ハラレの鉄道駅。寝台列車に乗ってビクトリアの滝を目指します。ところが電車に乗ってみてビックリ。電気が全く付きません。不安な夜を過ごしつつも、朝日が昇ると、その温かさ、美しさに感動しました。ビクトリアの滝の街に到着すると、観光地らしく土産物店が軒を連ねます。ところが歩いてみると5分程で全て見終わってしまいました。本当に小さな街ですが、街の中を野生のゾウやサル、イノシシが普通に歩いています。さすがアフリカですね。
ビクトリアの滝は幅がおよそ1.7kmに渡り、滝に沿って展望台がいくつもあります。今回訪れたのは一年で水量が最も多い時期だったため、滝の迫力は満点。でも水しぶきも最大級なため、レインコートを着ていても全身びしょ濡れ。自然のパワーを肌身で感じました。そして私を待っていたビクトリアの滝のハイライト。それはメインフォールに掛かる大きな虹。その風景はまるで地球上の楽園でした。

野生の楽園 ワンゲ

翌日はビクトリアの滝にほど近い、野生の楽園、ワンゲへと移動しました。ここは野生動物を間近で見られるサファリドライブが有名です。出発するとすぐに現れたのはキリンやバッファローなど大きな動物たち。そして次に出会ったのはゾウの家族。子どものゾウの兄弟がじゃれ合うようにして歩き、後ろからお母さんがそれを見守っています。その家族に誘われるように森に入っていくと、そこは大きなゾウの群れの中でした。ここは野生の領域。ゾウたちは様々な音を出し、互いにコミュニケーションを取りながら、こちらを警戒しています。そしてそこに現れたのがまだ生後1週間ほどの赤ちゃんゾウ。たった1頭の赤ちゃんゾウのために、何百という群れが一緒になって守ろうとするその絆。厳しい野生で育っているからこそ、こんなにも深い愛情が生まれるんでしょうね。

自然と人間の架け橋 ビクトリアの滝

再びビクトリアの滝に戻ってきました。この地域では、滝に掛かる虹は空や植物などの自然の色や、愛情などの人間や動物の心が映し出されたものだと考えているそうです。つまり虹は自然と人間を結びつける架け橋。その架け橋をもう一度見るため、今度はヘリコプターに乗り、空からビクトリアの滝を眺めます。まず見えてきたのはビクトリアの滝に注ぐザンベジ川。隣国ザンビアとの国境にもなっている大きな川ですが、滝の激しさとは対照的に流れはとても穏やか。そして遠くからでもハッキリと分かる滝の水煙が独特の風景を生んでいます。滝に近づくと、その大きさに圧倒されます。1.7kmにも及ぶ大地にできた亀裂。その割れ目から吹き出す水煙はまるで地球が呼吸しているかのよう。やがて現れたのは1.7kmをすっぽり包み込むような大きな虹。太陽、水、空、木々、動物、そして私たちの心。全てが輝くと、虹はより一層まばゆい光を放ちまるで世界を祝福しているようでした。