恩塚亨ヘッドコーチ体制となって初の国際大会。「FIBA女子アジアカップ2021」の予選ラウンド第2戦は、その新生・女子日本代表にとって初の試練となった。
ニュージーランドと対戦した日本は、試合開始早々に赤穂ひまわり(デンソーアイリス)がコースト・トゥ・コーストからシュートを決めると、林咲希(ENEOSサンフラワーズ)、そして赤穂の3ポイントシュートが続き、8−0とスタートダッシュに成功する。これで前日のインド戦同様、早い段階でペースをつかむと思われたのだが、「(シュートの)フィニッシュスキルの部分で決められるシュートを決められなかった」と、恩塚ヘッドコーチが振り返るように、その後は放つシュートが枠を捉えず。その間、ニュージーランドにインサイドとアウトサイドをバランスよく攻められ逆転を許してしまう。
それでも、第2クォーターは中田珠未(ENEOS)がリバウンドや速攻からシュートをねじ込むと、林の3ポイントシュートも決まり、32−31とかろうじて再逆転して前半を終了した。
フィジカルの強さと高さを武器に効果的にインサイドで得点を挙げるニュージーランド。日本は、このニュージーランドの当たりの強さに苦戦したものの、「相手のフィジカルに負けて、なかなか中にアタックできないところを少しでもファウルがもらえるように」と、後半になると馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)がドライブを果敢に試みる。そこから得たフリースローを沈めてつなぐと、互いにロースコアとなった第4クォーターでは、3本の3ポイントシュートを適時に決めて勝負あり。粘るニュージーランドを62−50で振り切った。
試合後、恩塚ヘッドコーチは「相手は思っていたよりフィジカルが強くサイズがありました。それでも我慢し続けた中で、自分たちのバスケットをする時間が増えてきました」とコメント。司令塔の宮崎は、日本の武器である「走るバスケットができていなかった」と反省点を挙げた。
だが、「自分たちの流れにならない、きつい時間帯にベンチでもコートの中でも声を出すことができました。それに苦しい時間帯でも、うまくいっていないところを話したり、リバウンドに飛び込むことを再確認できたことはよかったです」とチーム最多の15得点を挙げた馬瓜が言うように、自分たちで考え、重い展開を打開しての勝利は、次戦につながるだろう。
予選ラウンド最終戦の相手は韓国。「相手の武器である3ポイントシュートをいかに打たせないか。シューターは一瞬の隙をついて打ってくるので、ディフェンスで足元に入ることがポイントになると思います」と恩塚ヘッドコーチ。
一方の馬瓜も韓国は日本のスタイルと似ていると言い、「日本は3ポイントシュートが入らなかった時にどれだけディフェンスで我慢できるか」とディフェンスをカギに挙げた。
これまで国際大会ではいくつもの死闘を繰り広げたアジアのライバルとの一戦。予選ラウンドを全勝すれば、準決勝進出が決まるため、日本にとっては絶対に負けられない戦いとなる。