9月27日、「FIBA 女子アジアカップ2021」がヨルダンのアンマンにて開幕。史上初の5連覇を目指す日本は、予選ラウンドの初戦でインドと対戦した。
先制点こそインドに許した日本だったが、その後、赤穂ひまわり(デンソーアイリス)のフリースローで落ち着いて入れ返すと、「練習から調子が上がってきていた」というオコエ桃仁花(富士通レッドウェーブ)も2本連続で3ポイントシュートを沈めて流れを一気に引き寄せる。続いて宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)、根本葉瑠乃(三菱電機コアラーズ)らの3ポイントシュートも決まり、全員出場となった第1クォーターで41-14と大量リードを奪った。
第2クォーターでもそれまでと同様に前から当たる激しいディフェンスでボールを奪っていった日本。攻めては赤穂が要所を締めるシュートでリードを広げていくと、第1クォーターから好調を維持するオコエも小気味よくシュートを沈め、前半を終えて66-25と41点差を付けた。
後半に入っても日本の勢いは衰えず。何より、前半は3ポイントシュート4本を放ったものの無得点だった林咲希(ENEOS)の待望の3ポイントシュートが決まり、勢いは増すばかりとなった。
その林は、東京オリンピックの成績から女子バスケットが注目される中、この女子アジアカップでは「みんなを引っ張りたい」「どういうプレーをしないといけないのか」といったことを考えすぎてしまったことで「プレッシャーになっていた」と前半はメンタル面がマイナスに影響。本来の働きができなかったが、ハーフタイムの間に「このチームのみんなで楽しく戦いたい」と気持ちを切り替えると、後半だけで3ポイントシュート4本を含む14得点を挙げ、次戦につながる数字を残した。
結局、第4クォーターでも32-7とインドに付け入る隙を与えなかった日本。終わってみれば、136-46と90点差を付けての勝利となった。また、東京オリンピックの時から強みとなっていた3ポイントシュートでは9選手が計24本を沈める働き。しかも51.1%という確率で、オリンピックに続いて高いシュート力を誇示した。
「選手たちが自分の持ち味をいかんなく発揮してくれたことにうれしく思います」と初陣の感想を語ったのは日本代表初采配となる恩塚亨ヘッドコーチ。選手個々が力を発揮したことに笑顔を見せたが、46失点には「満足はいっていません」と課題を挙げて、気を引き締め直した。
「一人ひとりがポイントゲッターになれる存在」とキャプテンの林が言うように、総合力でインドを一蹴した日本。
初戦で明らかになった課題を修正し、2戦目となる明日(28日)はニュージーランドと対戦する。指揮官はポイントに「ペイントエリアの攻防にあると思っています」と言い、「相手の方がサイズもあるし、パワーも強いのでフルコートで戦いたいです」と、初戦快勝にもしっかりと次なる戦いを見据えていた。