日本でも多くのファンを持つブリティッシュ・ハードロック・バンド、ディープ・パープル。「ハイウェイ・スター」は、彼らの6枚目のアルバム『マシン・ヘッド』(1972)の冒頭を飾る彼らの代表曲。疾走感あふれるこの曲は、当時のライヴでは定番のオープニング曲として演奏されていた。
1971年のある日、ディープ・パープルのメンバーは、ポーツマスでのライヴに向け、専用のバスで移動していた。「ハイウェイ・スター」の最初のアイデアは、このバスの中で生まれたという。当時は、バンドが移動する際に、同じバスにジャーナリストが乗り合わせることがしばしばあった。その日、ひとりのジャーナリストが「曲はどうやってつくるのか」と質問、ギタリストのリッチー・ブラックモアは、その質問に実演で答えた。その種の質問にうんざりしていたリッチーは、冷笑気味にGのコードを鳴らし続けたという。その音を聴いたヴォーカルのイアン・ギランは、バイクを女性にたとえる歌詞を思いつき、そして、この曲が生まれたのだ。
「ハイウェイ・スター」は、しばらくライヴで演奏された後、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」とともに、スイスのモントルーでアルバムのためのレコーディングが行われた。
番組では、曲を書いたイアン・ギランをはじめ、イアンとともに第2期のメンバーとなったロジャー・グローバー、そして、今もバンドに残るただひとりのオリジナル・メンバー、イアン・ペイスらを訪ね、名曲誕生の経緯を探っていく。