情熱的なサンバや、涼しげで洗練されたボサノヴァなど、世界のポップス界にさまざまな名曲を送り出しているブラジル音楽。「イパネマの娘」や「波」「おいしい水」など、アントニオ・カルロス・ジョビンの諸作とともに、ブラジルが生んだ名曲として知られるのが、「マシュ・ケ・ナダ」。
ブラジル人ミュージシャン、ジョルジ・ベンジョール(当時はジョルジ・ベン)によって書かれたこの曲は、本人のヴァージョンにより1963年にリリースされ、ブラジル国内で大きなヒットとなった。
その後、セルジオ・メンデス&ブラジル’66がこの曲をカヴァー。1966年にA&Mレコードからリリースされたアルバムが大ヒットし、世界各国でNo.1となる大ヒットを記録した。日本でも、由紀さおりをはじめ、さまざまなポップス歌手によりカヴァーされている。
ジョルジ版をカヴァーする際、オリジナルとは別な味わいを加えたいと考えたセルジオは、この曲を独自にアレンジ。独特のリズムをより切れのあるものにし、さらに美しく流麗なコーラスを加えたことで、多くのファンを得ることとなった。
番組では、セルジオ・メンデスほか、この曲にゆかりのある人々を訪ね、名曲誕生の経緯を探っていく。