#53 「ユー・リアリー・ガット・ミー」キンクス

放送内容

キンクスは、1963年に結成。
デビュー当時、イギリスではビートルズやローリング・ストーンズと並び称されたブリティッシュ・ビート・バンドのひとつ。
当時の数多くのバンド同様、アメリカのR&Bやロックン・ロールのカヴァーからキャリアをスタートさせたが、やがてフォーク・ロック調のコンセプト・アルバムや風変わりなロック・オペラ風のアルバムをつくるようになる。
自らが生まれ育ったイギリスの暮らしをリアルに歌いこんだハートフルで、時にほろ苦い彼らの音楽世界はトラジ・コメディ(悲喜劇)的とも評される。
メインストリームと離れたところでひたすらオリジナルな音楽づくりに情熱を注ぎ、ビートルズやストーンズが、どのバンドにもたどりつけない地平へ向かったようにキンクスも唯一無二のバンドとなった。

彼らの3rdシングル「ユー・リアリー・ガット・ミー」は、イギリスでNo1に輝き、彼らの人気を決定づけたロック・クラシック。
印象的なリフと荒々しいサウンドは、ハード・ロックやヘヴィ・メタル、パンクの元祖とも呼ばれ、多くのミュージシャンからリスペクトを集めている。
レイ・デイヴィスは、当時、居候をしていた姉夫婦のアパートでこの曲を書き、弟のデイヴが、歪んだギター・サウンドを(ディストーションもファズもない時代に!)生み出し、名曲は誕生した。

番組では、兄弟が生まれ育ったマスウェル・ヒルを訪ね、レイ、デイヴ、元メンバーのミック・エイヴォリーらに名曲誕生の経緯を語ってもらう。
さらに、初期の彼らを支えたマネージャーのラリー・ペイジ、プロデューサーのシェル・タルミーらを訪ね、当時のようすをふりかえってもらう。


PLAY LIST