1970年代の後半にフランスから登場し、繊細なピアノタッチ、貴公子然としたルックスで大きな人気を集めたリチャード・クレイダーマン。
彼の名を一躍世界に広めたのが、デビュー作の「渚のアデリーヌ」だ。
この曲を生み出したのは、パリで活動していた2人の音楽家、オリヴィエ・トゥッサンとポール・ド・セヌヴィル。
ミッシェル・ポルナレフやミレイユ・マチューらに曲を提供していた2人は共同で新しいレーベルを立ち上げたところだった。
ある時ポールは幼い娘アデリーヌのことを想い、美しいメロディを書き上げた。
この曲を大切にレコーディングしたいと考え、イメージに合うピアニストを探しはじめたオリヴィエとポール。
そんな2人の前に現れたのが、当時23歳のピアニスト、フィリップ・パジェスだった。
やがてフィリップは「渚のアデリーヌ」を携え、リチャード・クレイダーマンとして世界へと羽ばたいていく。
3人の出会いにはいったいどんな物語が秘められているのか…
番組では、リチャード・クレイダーマンをはじめ、この曲を書いたポール・ド・セヌヴィル、プロデューサーで、デビュー以来マネージャーも務めるオリヴィエ・トゥッサン、また、曲のタイトルを捧げられたポールの娘、アデリーヌらを訪ね、この曲の誕生について探っていく。