「ラジオ・スターの悲劇」は、1979年に全英No.1となったバグルスの大ヒット曲。
1981年のMTV開局時に最初に流された曲としても知られている。
この曲には3人の作者がいる。歌詞とメロディを書いたトレヴァー・ホーンとブルース・ウーリー、そして、主にアレンジを担当したジェフ・ダウンズ。
実は、この曲には最初から2つのヴァージョンがあった。
ヴォーカリストとして一足早くソニーと契約したブルースは、自らのバンド、カメラ・クラブを率い、この曲を演奏した。
歌詞とメロディは同じだが、ギター・サウンドをフィーチュアしたニューウェイヴ風の曲調となっている。
一方、トレヴァーとジェフは、完成度の高いデモテープをつくり、アイランド・レコードと契約。
バグルス版のポップでカラフルなサウンドをつくり上げた。
聴き手を楽しませる様々な音の仕掛けには、ジングルづくりの仕事をしていたジェフの経験が大いに活かされたという。
バグルスは2枚のアルバムをリリース後、活動休止。
その後、トレヴァーはイエスをはじめ、アート・オブ・ノイズ、ABC、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドなどの大ヒット曲を連発する人気プロデューサーとなる。
ジェフはスティーヴ・ハウ、ジョン・ウェットンらとスーパーグループ、エイジアを結成。
ブルースはシンガーソングライター、ポリー・スキャッターグッドによるカヴァー版「ラジオ・スターの悲劇」をプロデュースする。
番組では、この曲を書いた3人とカヴァーしたポリー・スキャッターグッドを訪ね、オリジナル版、カヴァー版誕生の経緯について聞く。
また、その後の彼らの活躍を追う。