「スカイ・ハイ」は、1975年に全米3位を記録したヒット曲。
その後、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでもベスト10にランクイン。
日本ではプロレスラー、ミル・マスカラスの入場曲としても親しまれ、77年の洋楽チャートで11週連続No.1を記録、その年の洋楽シングル年間売上でもNo.1に輝いた。
この曲のヒットにより世界中に名を広めたのが、イギリスのロック・バンド、ジグソー。
彼らは1966年にイングランドのコヴェントリーでバンドを結成し、その地を中心に活動を続けていた。
この曲は、ジグソーが映画『The Man from Hong Kong(邦題:スカイ・ハイ)』のテーマ曲としてつくったものだが、実は、映画のプロデューサーたちは当初、ジグソーではなく、別のアーティストにテーマ曲を依頼するつもりでいた。
しかし、予定の期限が差し迫る中、候補者たちから次々と依頼を断られ、テーマ曲づくりは一時暗礁に乗り上げてしまう。
この話を聞きつけたのが、ジグソーの所属するスプラッシュ・レコードの社長、チャス・ピートだった。
彼はジグソーのメンバーに特急仕上げの曲づくりを依頼。
映画の試写から曲づくり、デモテープの制作、プロデューサーへのプレゼン、オーケストラのアレンジ、そしてレコーディングまで… 彼らは、わずか1週間のスケジュールでこれらの作業をこなし、完成した曲は見事、大ヒットとなった。
期限付きのこの特急プロジェクトには、関係者たちのどんな努力があったのか。
番組では、デス・ダイヤー、トニー・キャンベル、バリー・バーナードらジグソーのメンバーや、彼らを支えたレコード会社のスタッフ、オーケストラ・アレンジを施したリチャード・ヒューソン(ビートルズの「ロング・アンド・ワインディング・ロード」のアレンジでも知られる)など、ゆかりの人々を訪ね、この曲がどのように誕生したのかを探っていく。