#34 「明治実業家」 2013年5月29日放送

#33「渋沢栄一 VS 岩崎弥太郎」

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幕末の革命期を過ぎて、明治という新たな時代をどうはじめるのか。日本をどのような国家にしていくのか。この問いに挑んだ二人の男たちがいました。ひとりは、合本主義をもって経済と道徳を起点に日本経済を築いた渋沢栄一。もうひとりは、徹底した独裁主義で三菱を築き上げた岩崎弥太郎。ふたりはやがてその手法の違いから真っ向から対立します。
はたして、二人が日本にもたらしたものとはなんだったのか?今回は渋沢栄一VS岩崎弥太郎のライバル対決に迫ります!!

一転した若き日のふたり…

渋沢栄一は経営農民と呼ばれる農家の家に生まれました。藍玉の製造・販売などをする裕福な家庭でした。しかし武士との階級の差別は強く、栄一は武士に対する反発心を募らせます。そうして、尊皇攘夷に目覚めるのです。
一方の岩崎弥太郎も土佐に生まれ激しい階級差別に晒されます。弥太郎は勉学に励み出世を夢見ていました。
栄一は幕府の役人に目をつけられ逃れる回る日々。やがて知り合いを頼りに一橋家に仕えます。そして、その一橋家の主君、慶喜が突如として将軍となったことから栄一は倒幕から一転、幕臣となるのです。
一方の弥太郎は坂本龍馬などの活躍で土佐藩が倒幕へ動き、佐幕から倒幕へと一転します。

日本の舵取りはどちらの手に…

幕臣となった栄一はパリ万博に随行し海外の文化に触れます。そこで合本主義に出会います。帰国した栄一は資本を集め多くの企業を立ち上げてゆきます。そんな時、栄一とは異なる手法で実業界に新風を巻き起こす男がいました。それこそが岩崎弥太郎。徹底した独裁主義で三菱を立ち上げ海運業界を制覇して行くのです。

道徳か利益か!泥沼の死闘!

栄一は弥太郎の独裁主義に危機感を覚え、ついに三菱に対抗すべく巨大海運会社を立ち上げます。ここにふたりの死闘が始まるのです。果てしない運賃引き下げ競争、速力の競い合いなどともに倒産寸前までふたりは争います。この戦いは弥太郎の死によって終結。
政府は両社を合併し日本郵船を設立。栄一はその後も無数の企業を設立し「日本資本主義の父」と称されました。
道徳をもって経営する栄一。利益追求を第一とする弥太郎。このまったく異なる二人の実業家が同じ時代にいなければ日本の資本主義は生まれなかったのかも知れません。はたして、真の勝者はどっちだったのか!?

高橋英樹の軍配は…

日本のグランドデザイナーとして日本を富ませた渋沢栄一と、ハングリー精神でのし上がっていった岩崎弥太郎。難しいなあ・・・。どちらが欠けていても今の日本はなかったと思います。この平和な時代を迎えて考えると、この二人の対決ではやっぱり・・・渋沢栄一かな?でも、岩崎弥太郎のように突き進む人間が、この平成の世に少なくなっていることは確かですよね?いま大切なのはどちらかというと、ハングリー精神なのかもしれません。