毎週水曜 よる10時放送
江戸時代の末期、幕末。その動乱の時代において一心に武士道を貫いた部隊がありました…。
「新選組」。隊員は農民や浪士たちを集めた曲者ぞろい。その組織を率いた二人の男。新選組局長、近藤勇。そして鬼の副長、土方歳三。ともに、農民に生まれ武士に憧れ、二人三脚で時代を駆け抜けたその人生。しかし、新選組、最後のときふたりは別々の道を選んだ。そこに秘められたそれぞれの「武士道」とは! 今回は幕末の青春、近藤勇と土方歳三に迫ります!!
近藤勇と土方歳三。ふたりは共に武蔵国・多摩の農民の家に生まれました。勇が育った多摩一帯は、徳川将軍直轄の土地、いわゆる「天領」であり、幕府発祥より武道が盛んな地域。百姓にも「いざとなれば武器を取り、将軍様のために働く」といった気概があったといいます。そして、近藤の教える天然理心流の道場で、ふたりは出会うことになるのです。あるとき、幕府が身分を問わず全国の浪士を集め、京へ向かう将軍の警護につけるという話が舞い込みます。武士として名を上げる絶好のチャンス。ふたりはすぐさま浪士組として京へと上りました。
京へ上った浪士組でしたが、その発案者・清河八郎の「われわれの本来の目的は尊皇攘夷である」との発言によって、早速分裂しました。近藤は、「我々の責務は将軍の警護であり、幕府を裏切ることはできない」として京に残ります。この京に残った部隊こそが、壬生浪士組を経て「新選組」となるのです。池田屋での活躍など、その名は京都中に知れ渡っていきました。
慶応3年(1867)10月14日。新選組の運命は一変します。15代将軍徳川慶喜が、政権を天皇に返上。さらに「王政復古」が号令され、ついに260年余り続いた徳川幕府は幕を下ろしました。幕府に使える新選組は、一夜にして官軍から賊軍へと立場が一変してしまったのです。
新政府軍との戦いの中で、徐々に追い詰められてゆくふたり。辿り着いた下総流山にてついにそのときが訪れます。4月3日、新選組本陣は、400名の新政府軍に包囲されてしまいました。
「トシさん、おしめえだ」徳川が恭順を示している以上、これ以上官軍に刃向かうと、徳川家の存亡自体が危ぶまれると、近藤は投降を決意します。どこまでも忠義を貫く近藤の決断。が、土方は「まだ終わってない。新選組はまだやれる!」
武士とは自らの信じる正義のために戦い続けるものだ。幕府の存在に左右されるものではない。そう土方は考え、二人は決別。
はたして、ふたりの真意はどこにあったのでしょうか? 互いの「武士道」が最後でぶつかりあったライバル対決、真の勝者はどっちだ!?
最後の一点で、どちらにしようかを考えました。近藤勇は斬首されますよね?土方は函館で鉄砲で撃たれて死にますよね? 「死にざま」としては土方がとっても格好よく武士らしく全うできた。でも、それを考えたときに、そうか、近藤は土方を武士らしく死なすために死んでゆくんだ、つまり、自ら名乗り出て、友人を武士らしく生かすために自分が犠牲になり、斬首されたという、この一点。今回ずっと話を聞いていて、近藤さんはずっと苦労して苦労して、皆のために生きてきたんだな、と。カッコよさから言うとはるかに土方さんの方が格好いいんですが、その一点で今日は…近藤勇!
草食系男子が取りざたされる今、情熱を燃やし、武士としての道を全うすることに全てをかけた2人の姿は、とても魅力的でした。
最後に究極の場面で決別を迎える2人ですが、近藤の魂は最後まで土方の中に生き続けたのだと思います。
武士らしさを極限まで追求し、より武士らしいのはどちらかという思いを守り抜いたという意味でのライバル対決に酔いしれました!