毎週水曜 よる10時放送
平安中期。文化が文化として花開いてきたこの時代。日本文学史に燦然と輝く傑作が相次いで生まれた。ひとつは、「枕草子」。宮中の暮らしを優美に描き出した随筆文学の元祖。そして、「源氏物語」光源氏の愛の遍歴を描いた世界最古の長編小説。なぜ、この時代にいまなお読み継がれるほどの名作が誕生したのか?そこには、宮中を揺るがした権力争いと女たちの愛憎があったのでした!今回は、日本を代表する女流作家対決、清少納言VS紫式部に迫ります!!
当時、后と彼女に仕える女房たちは一種の文化サロンを形成していた。清少納言はその高い教養を見込まれ一条天皇の后・定子に使えることになる。聡明な定子と清少納言はすぐさま意気投合。その宮廷の様を知的に繊細に書き綴ったのが「枕草子」である。しかし、そんな幸せな日々を一変させたのが藤原道長だった。道長は権力闘争の手段として、わずか12歳の娘・彰子を天皇の后へと送り込む。そして、道長が送り込んだもうひとりの人物こそが、あの作家でした・・・。
天皇をわが娘、彰子に振り向かせるには・・・。道長の秘策とは「枕草子」に代わる新たな文学の創作そして彰子サロンの形成。そこで白羽の矢が立ったのが紫式部でした。こうして清少納言と紫式部はライバルとなったのです。
ライバルとなった二人の女流作家。紫式部は清少納言に対し激烈な対抗心を燃やします。「紫式部日記」の中には清少納言に対し「利口ぶって」「中身が無い」などの記述が・・・。そうして書き続けられた「源氏物語」の効果か、紫式部が仕えてから三年後、彰子は待望の男子をもうけます。そしてその子は、後に天皇となり道長の栄華は築かれてゆくのです。はたして、二人の文学は「権力の道具」だったのか・・・。しかし、現代。道長の手にした権力とその栄華は消え失せたが、二人の女流作家の人生をかけた「枕草子」と「源氏物語」は、日本文学史に燦然と輝き続けている。はたして、真の勝者はどちらだったのか・・・
女性同士の戦いに決着付けると後が怖いんです!(笑)わたくしが個人的に言わせていただくなら、どちらかというとポジティブシンキングの方がうれしいかな?というわけで・・・清少納言!
女性同士のライバル対決ということで、今までで一番、その細かな感情の動きを実感として感じることができました。このライバル関係はそれぞれが自分の役割を全力で全うしようとした結果生まれたものだと思います。男性主体ではなく、女性が主体になれる、「文学的才能」という武器を、フルに使いこなして生き抜いた女性たちを、本当にかっこいいと思いました。そしていつの時代も、女性同士のライバル関係と言うのは、個人だけの関係で出来上がるのではなく、周りの環境でつくり上げられ左右されるものなのだなぁ・・・と今に置き換え考えていました。