来年に迫った東京五輪に向け、バレーボール男女日本代表にとって重要な2019年。5月下旬に開幕する「バレーボールネーションズリーグ」は世界のトップ16チームが集結する大会、まさに東京五輪への試金石となる舞台となる。
2010年の世界バレーで32年ぶりのメダル獲得、2012年のロンドン五輪で28年ぶりのメダル獲得の歓喜に沸いた女子日本代表。2017年からはロサンゼルス五輪で日本を銅メダルに導いた名セッター、中田久美が監督に就任。「東京オリンピックで金メダル獲得」という大きな目標を掲げ、4年計画でのチーム強化を目指すこととなった。
「バレー界への最後の恩返し」という熱き想いを抱いて臨んだ就任1年目は、強豪ブラジルに2度勝利、アジア選手権で中国を破り10年ぶりに女王の座に返り咲くなど確かな結果を残した。
2年目となった昨年は、この年の集大成となる「世界バレー」で金メダルを獲得したセルビアを2次ラウンドで撃破するなどニッポン旋風を巻き起こし、結果は6位に終わったものの、20歳・黒後愛、22歳・古賀紗理奈の若きダブルエースが誕生するなど、未来へ繋がる年となった。
中田ジャパン3年目となる今年、黒後と古賀への期待がさらに高まる。「世界バレー」という大舞台を経験した2人が、強豪ひしめく「ネーションズリーグ」の舞台で一回りも二回りも大きく成長した姿を見せてくれるのか。東京五輪へ向け結果が求められる2019年、チームの中心となる彼女たちのプレーから目が離せない!
また、男子日本代表には昨年の「ネーションズリーグ」でニューヒーローが誕生した。チーム最年少、当時18歳の西田有志。代表1年目ながら世界の強豪を相手に強気のプレーで得点を量産。187cmとアウトサイドヒッターとしては小柄だが、持ち前のジャンプ力で高き壁をものともせずスパイクを叩き込み、得点ランキング4位に入る大活躍をみせた。強豪国の監督やエースをも驚愕させた若武者が、今年もニッポンを勝利に導くスパイクを決めまくり、世界中に「NISHIDA」の名を轟かすことはできるのか!?
海を渡った若き2人のエースも、ニッポン躍進のカギを握る。一昨年にプロ転向しドイツに渡り、今シーズンはポーランドで奮闘している26歳・柳田将洋と、イタリア・セリエAで活躍を続ける23歳・石川祐希。世界のトップ選手に揉まれ続けながらパワーとテクニックを磨き上げている2人が、2年目となる「ネーションズリーグ」でどんな進化をみせてくれるのか!?
東京五輪出場を目指す選手にとって、アピールの場にもなるネーションズリーグ。 ベテランの奮起、ケガから必死の復帰を目指す選手、そして新たな才能が花開く瞬間にも注目だ!!
国際バレーボール連盟(FIVB)によって昨年から新設された国際大会。2017年まで毎年実施されていた「ワールドリーグ(男子)」「ワールドグランプリ(女子)」が発展的に統合され、男女各16チームが世界各地を転戦しながら試合を行う。
予選ラウンドは1回総当たり方式で各チーム15試合を戦い、6チームによるファイナルラウンドで優勝チームを決定する。
<予選ラウンド>
16チームが4チームずつのプールに分かれ、各チーム毎週3試合、5週にわたって全15試合を戦う。
<ファイナルラウンド>
ファイナルラウンド開催国(男子:アメリカ、女子:中国)と、開催国を除く予選ラウンドの上位5チームの計6チームが出場する。