#13 「天空の円形劇場を抱く奥穂高 長野・涸沢」(7月20日 放送)
冬から夏へ・・・。山は、季節を一気に駆け上がる準備を始めている。
北アルプス・穂高連峰。古くから信仰の対象であるとともに、登山者にとって憧れの存在であり続けてきた。厳しい冬を越え、山が眠りから覚める時。そこには、この時期だけにしかみられない息を飲む絶景が広がり、一歩ずつ歩を進めると 雪の中から山の鼓動が聞こえてくるようだ。
今回は、写真家としても活動する宍戸開が、絶景のシャッターチャンスを求めて穂高に向かう。
観光地として人気の上高地からスタート。標高3,000mを越える頂が連なる北アルプスが旅人を見下ろす。
夏山へ姿を変える山へ入ると、朽ちた木と力強く輝く新緑が目の前に広がる。さらに進むと、落差1,000mの断崖・屏風岩。自然に作られた迫力の造形美だ。
6時間ほど歩くと、涸沢カールにたどり着く。そこには登山者にとって憧れの山小屋・涸沢ヒュッテがある。旅人を温かく迎えてくれる山小屋。迫りくるアルプスの山々が一望できる場所。岩稜の穂高連峰をぐるりと仰ぎ見る光景は圧巻だ。
7月初旬の残雪が残る中、撮影を行いました。雨も降り大変滑りやすく、危険が伴う登山でしたが、ベテランガイドさんの指示のもと、無事に登れる事が出来ました。
疲れた身体を癒してくれたのは、山小屋・涸沢ヒュッテの温かいスタッフの皆さんと、名物のおでん。標高2,309mで食べるおでんは、忘れられない味となりました。