ゴルフと出会った高橋は、何事も中途半端が嫌いという性格もあってか、一気に傾倒する。
その方法がまた人並み外れていた。なんと、ゴルフ場に泊まり込んでの研修生生活を送り始めたのだ。
さらには当時ジャンボキラーとして名を馳せていた高橋勝成プロに押し掛け弟子入りし、さらにゴルフへの熱が高じてレッスンビデオの演出まで手掛けた。
趣味の域を超え、仕事にもなった高橋のゴルフ。
さらに高橋は知識や情報を貪欲に吸収しようと様々なプロと関わりをもっていく。
青木功、ジャンボ尾崎、中嶋常幸、丸山茂樹、石川遼…
そうそうたる顔ぶれとプレーする機会も得た。
ゴルフを通じて高橋の世界観は確実に拡がっていったのだ。
開放的なグリーンの上でプレーすることで、自分自身を改めて見つめ直すことことができ、今まで知らなかった自分を発見できる。その結果、作家として大切な客観力が身につくという。
高橋の言う「新しい自分との出会いが創造力を生む」にあなたは何を感じるだろうか?
今回のゲスト
作家 高橋 三千綱
高橋三千綱、62歳。東京スポーツ新聞の記者時代に書き上げた小説『退屈しのぎ』が第17回群像新人文学賞を受賞。翌年、新聞社を退社し本格的な執筆活動に入り、30歳の時、『九月の空』で第79回芥川賞を受賞し、一躍脚光を浴びる。
作家活動が軌道に乗ると、高橋は次々と自分の興味があるものを“とことん追求”し、ペンを走らせた。
そしてあるとき、高橋の興味の対象となったのが、ゴルフ。
高橋はゴルフを題材にした小説やエッセイ、また、お金に汚く女好きのプロゴルファーが主人公の『ドク・タイフーン』など数々のゴルフ漫画の原作を手掛けるようになる。
そんな高橋が初めてゴルフをしたのは34歳の時。実はある事がきっかけで高橋はゴルフを始めることとなった。
収録を終えて
by 岡田理江高橋 三千綱さんのグリーンの教えは!
『新しい自分との出会いが創造力を生む』
高橋さんには独特な感性と雰囲気を感じました。
陰と陽、そんな不思議な空気感でした。
高橋さんはとてもお固い方のように見えたのですが、お話すると優しさが滲み出てきて、言葉を交わす度に穏やかな優しさが伝わってきました。