多いときは1日1000球。驚くばかりの練習量で短期間のうちに上達し、今では芸能界でも屈指の実力を誇る。
ここまでゴルフにのめりこむのは、ゴルフと仕事がいい影響を与えあっていることを実感したからだった。
車を自ら運転し、一緒に回る仲間たちを迎えに行く。
一緒にコースに出て汗をかき、ラウンド後、その汗を洗い流し裸の付き合い。
そして、また仲間たちをそれぞれの自宅まで送っていく。
早朝からほぼ丸々一日仲間と同じ時間を過ごす。
確かに、こんなスポーツ、他には無い。
知人から急速に親しい間柄になることもある。
しかし…別の一面もあった。
プレーから垣間見える人間の弱さ。
ゴルフの腕前に関係なく、一緒にプレーする仲間を不快な気分にさせる人が少なからずいたのだ。
個人スポーツを中心に楽しんできた渡辺にとって初めての体験であり、深く考えさせられることであった。
しかし、その胸の内に思いを馳せて考えてみれば…
悔しくてクラブを叩きつけたくなることは今でもある。
ゴルフを続けて行くうちに、その醜さは自分自身の中にも持っていることだと気付いたのだ。
スポーツも仕事でも自分中心にモノを考えてきたのではないか。
自分勝手な行動で、周りに迷惑をかけてきたのではないか…
渡辺の言う「周りをしあわせにするゴルフ」とは一体どういうことなのだろうか。
今回のゲスト
俳優、渡辺裕之
1980年に芸能活動を開始。
精悍な顔立ちと鍛え抜かれた肉体を武器に映画やテレビドラマで存在感を発揮している。
その活躍は俳優業にとどまらず、ドラムは、日本屈指のジャズドラマー日野元彦さんも認める実力派。
定期的にライブを開いたり、イベントにも出演したりなどミュージシャンとしての顔も持つ。
そんな多彩な活動を支える基礎となっているのがスポーツ。
これまでに乗馬やスキー、スキューバダイビングなどあらゆるスポーツに挑戦してきた。
その中で、決して手を出さなかったのが、ゴルフ。そもそもが、あまり好きではなかった。変えるきっかけをくれたのは、妻の一言からだった。
だが、始めてみると、これまでのスポーツとは全く違った。生来が負けず嫌いの性格で、1年目はなんと一日1000球を毎日打ちこんだ。
芸能界でも屈指の肉体美とゴルフの腕前で知られる渡辺がゴルフから学んだ「グリーンの教え」とは?
5つのタイトルを通算12期獲得している、プロ棋士・ 佐藤康光 さんです。