自動車修理工場を経営する父から、ゴルフの英才教育を受けて育ったナンシー・ロペスは、15歳で 全米女子ジュニア選手権を制するなど、アマチュア・タイトルを、ほぼ総なめにした。
その後 20歳でプロに転向。1978年には、LPGAツアー新記録の5連勝を含む、年間9勝を上げ、賞金獲得額でもツアーの当時の記録を塗り替えた。
そんな彼女の戦い方を象徴する試合がある。
ウェグマンズ・ロチェスターLPGAでの事。10番ティショットで、ロペスは観客の頭に、ボールを直撃させてしまう。現場に駆けつけると、血だらけになった男性客が倒れていた。客は、「自分は平気だから、プレーを続けるように」と言ったが、ロペスは動揺し、そのホールをダブルボギー。しかし、次のホールへ向かう間、彼女は、こんな事を考えていたという。
「あの男性客のためにも、この試合に勝つ」。
もし、この試合が悪い成績に終われば、人々は その理由を観客がケガをしたからだと考えるだろう。ロペスはそれが、どうしても許せなかったのである。
そして、次のホールから、彼女は心を入れ替えたという。それが抜群の集中力を呼んだのか、トーナメントに勝利した。
そんなナンシー・ロペスが残した言葉 「人は1つの失敗をギブアップの理由にするものです。それは全てプライドの問題です。」とはどのような意味を持つのだろうか…
今回のゲスト
中野浩一
1975年、競輪界入りし、デビューから、18連勝を達成。さらに6年後には、日本プロスポーツ界初の、1億円プレイヤーとなります。
圧倒的な強さで、“ミスター競輪”と呼ばれた中野浩一。17年間の現役生活で、通算1236試合に出場し、1着になったのは666回。また、実に8割の試合で、上位3着までに入賞。獲得賞金の総額は13億円を超える。
一方で、世界自転車選手権において、不滅の10連覇を成し遂げた。彼が、「世界のナカノ」と呼ばれるゆえんである。
果たして、そんな中野のゴルフとはいかなるものなのか?
人気雑誌POPEYE、BRUTUS、TARZANを売り出したカリスマ編集者 石川次郎 さんです。