武家の次男に生まれたがゆえ、役立たずの誹りを受け“へそ者”として生きてきた小五郎(工藤)。厳格な武家の一人娘としてまっすぐに育ち、藩内でも噂が立つほどの美貌をもつ恵津(志田)。
縁あって夫婦となった2人は、つつましくも小さな幸せを掴むはずだった・・しかし、突然起きた事件によって夫婦は引き裂かれてゆく・・・
武士の封建制度の中で、お互いをまっすぐに愛し合い、夫婦としての絆を育んでいく姿を描いた池波正太郎短編小説を映像化。
原作:池波正太郎「へそ五郎騒動」(新潮文庫)
脚本:金子成人
監督:服部大二
製作協力:(株)松竹撮影所
プロデューサー:王堂健一(BS‐TBS)、足立弘平(松竹)、岡村紘野(松竹)
平野(山崎)小五郎・・・工藤阿須加(松代藩士)
山崎恵津・・・志田未来(山崎家娘)
関口市太郎・・・渡辺大(松代藩士)
関口喜兵衛・・・本田博太郎(松代藩重役)
山崎源右衛門・・・甲本雅裕(松代藩お納戸方)
原正盛・・・波岡一喜(松代藩家老)
お杵・・・財前直見(旅籠『小松屋』女将)
成聞和尚・・・火野正平(大信寺住職)
工藤阿須加さん
・台本を読んでの感想、意気込み
台本を読ませていただき、小五郎の芯の強さ、武士としての心得、最後まで信じ貫き通した思いに心が震え感動しました。
・時代劇を演じる上で楽しみにしていること
小五郎の生きた時代の匂いを体現できるよう、見てくださる皆様にこういう時代だからこそ感じてもらえる何かを見つけて頂けたら嬉しいです。
・夫婦役を演じるお相手(志田さん)の印象
志田さんが出演されている作品は、自分が役者を始める前から拝見させていただいていて、人の心の本質を捉えてお芝居される方だと思います。登場人物それぞれの感情が動く瞬間に目が離せなくなる物語なので、今回ご一緒させて頂ける事が幸せです。
志田未来さん
・台本を読んでの感想、意気込み
いつの時代も女性は強く逞しく愛に溢れていると感じ、その象徴ともいえる恵津を演じさせていただけることがとても嬉しいです。しっかりと台本を読み込み勉強して、現場で感じる想いをお芝居にのせられたらと思っています。歴史的な部分はもちろんですが、人を想う気持ちなどが丁寧に描かれているので、時代劇にあまり触れてこなかった世代の方々にも楽しんでいただける作品だと思います。
・時代劇を演じる上で楽しみにしていること
今回、初めて本格的な時代劇に挑戦させていただきます。プレッシャーや緊張もありますが、以前、京都で撮影をしたときに京都の皆様が温かく接してくださり、包み込んでくださる空気を作ってくださったので、またその京都で初めての時代劇に挑戦できることが楽しみです。
・夫婦役を演じるお相手(工藤さん)の印象
工藤さんの出演作品を拝見させていただいた時に目で感情を伝えられる素敵な俳優さんだなと感じました。真っ直ぐな小五郎さんと通ずるものがあられるのだろうなと、今回、ご一緒にお芝居をさせていただく事をとても楽しみにしています。
火野正平さん
火野正平の「正」は、池波正太郎さんから頂きましたし、その池波正太郎原作で、脚本は大好きな金子成人さん、というドラマなのでセリフをあんまり崩せません。ふざけられない雰囲気の撮影現場です。セリフを覚えるのに必死です。昔はこんなはずじゃなかった..
まだ、少年時代の主人公としか会えていないのですがしっかりした少年・小五郎です。青年・小五郎と会えるのも楽しみにしています。物語の最後、自分の存在感を消しつつ、ちゃんとそこに存在していなくてはと考えています。
財前直見さん
権力者から簡単に命を奪われる時代に、自らの命をかけて守りたいものとは何なのか?敵討ち?武士のプライド?約束?家?妻子?と、色々な角度で楽しめる、現代の私たちにも共通する想いがある時代劇だと思います。小五郎の命の使い道を問いつつ、自分はどう生きるのか?を考えさせられる物語です。私が演じる「お杵さん」は、正義感が強くて、何人ものお客さんを見てきたので、人の事情を汲み取り気遣いの出来る人だと思いました。小五郎に対しては、後悔の念をいだかないように、そっと背中を押す言葉をかける愛の人物です。愛のあるお杵さんを、時には小五郎を母のように見守りつつ、時代劇を楽しみたいと思います。初めての松竹撮影所のセットも楽しみです。
渡辺大さん
この作品は様々な人間模様が複雑に絡み合っていて、どのキャラクターの心情も分かってしまうからこそ悩ましい。自分が演じる関口市太郎も松代藩の事情や父親、そして山崎小五郎への敵討ちと、通さねばならない道理が果たして本当に正解なのか。冬の薬缶の湯のようにフツフツとゆっくり頭の中を駆け巡っていると思います。そんな静かに佇む苦悩を見て頂けたらと思います。
今年最初の時代劇なので気合を入れて、寒さに負けず頑張りますので、ご期待下さい。
プロデューサーよりコメント
(BS-TBS 王堂健一)
初めて工藤阿須加さんに京都の撮影所でお会いした時、その澄んだ瞳の奥に、主人公・小五郎の静かに燃える闘志を見た思いがしました。恵津役の志田未来さんとどんな夫婦を演じるのか、クランクインが本当に楽しみです。
「差別」「パワハラ」「格差社会」「権力の横暴」・・・江戸中期、信濃国松代藩を舞台にしたこの物語には、現代と共通する理不尽な社会が描かれています。厳然たる身分差、上の命令には絶対服従の世の中で、主人公・小五郎の「怒り」が爆発します。時代劇だからこそ表現できる、命をかけた激しい闘いと夫婦のせつない愛。それは、時代を超えて迷える現代の人々に問いかけることでしょう・・・「自分の命をどう使うのか」。逆境の中、彼らが自ら選んだ生き様に注目です。武士として、そしてその妻として・・・。
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